女王との交わりが終わった後、ひなたは玉座の横に横たわっていた。全身には女王の体液が乾いて白く変色しているが、不思議と心は晴れやかだった。 「これが……魔石」 女王が差し出したのは、拳大の輝く結晶だった。淡い光を放ち、中には星空のような粒が浮遊している。 「私の世界へ……帰れる」 ひなたは魔石を受け取った。冷たい感触が手のひらに広がる。だが、その瞬間、胸の奥に温かいものがこみ上げてきた。女王の孤独。長い時を独りで過ごした寂しさ。そして、ひなたに出会えた喜び。それらが体温を通じて伝わってくる。 「帰りたくない……?」 自分の心に疑問を投げかけた時、玉座の間の入り口から複数の気配が現れた。これまで彼女を苦しめたスライム、蟲、触手を持つ魔物たち。ひなたは身構えたが、彼らは敵意を見せなかった。むしろ、頭を下げ、跪いている。 「これは……?」 女王の声が脳内に響く。『お前は私と交わった。今やこの世界において、お前は豊穣の女神と同等の存在だ』 「豊穣の……女神?」 『魔物たちはお前を崇める。危害を加える者はいない』ひなたは呆然と魔物たちを見渡した。かつて彼女を襲い、辱めた彼らが、今は敬意を込めて接している。 「私が……この世界の女神」 魔石を握りしめる。帰るか、残るか。元の世界には、まだ見ぬファンが待っているかもしれない。だが、この世界には、彼女を必要とする存在がいた。 「ねえ、女王様」 ひなたは振り返った。 「私、この世界で歌いたい。アイドルとして」 女王の瞳が驚きに見開かれ、やがて柔らかな光を帯びた。『異世界の歌姫……悪くない』 「魔石は……返すね。私には必要ない」 ひなたは輝く結晶を女王に返し、玉座の間の中央に立った。 「みんな、聞いて!」 魔物たちが顔を上げる。 「私、桜羽原ひなたは、この世界で新たなアイドル活動を始めます!応援してくれる?」 魔物たちが歓声のような音を上げる。女王も微笑んで頷いた。 「ありがとう……私の新しいファミリー」 ひなたは満面の笑みを浮かべた。ステージもスポットライトもない。だが、彼女の周りには、心から彼女を慕う観客がいた。 「それじゃあ、第一曲目。オリジナル曲を歌います!」 異世界の歌姫が誕生した瞬間だった。
検閲済みプロット
元アイドルの女子学生・桜羽原ひなたは異世界に転生し、ダンジョンを一人で攻略中。言葉の通じない異界の生物たちに翻弄され、媚薬効果のある粘液を吐くスライムや触手を持つ蟲型魔物と遭遇。性的な試練を受けながらも最後まで諦めず、意外なハッピーエンドを迎える。




















