エラベノベル堂

生贄は女神に目覚める

18+ NSFW

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1章 / 全10

朝から嫌な予感がしていた。目覚まし時計が鳴らなかったせいで寝坊し、慌ててパンを口に詰め込みながら家を飛び出したのだが、運悪く雨が降り出してきた。 「うそ、天気予報は晴れって言ってたのに」 濡れた路面で足元が滑り、派手に転倒してしまう。スカートがめくれ上がり、通行人の視線が痛い。顔を真っ赤にして立ち上がると、今度は鞄の中身が道路に散乱した。 「今日は何なのよ、もう」 拾い集める私の指は震えていた。遅刻確定だ。ずぶ濡れのまま職場へ向かう途中、信号待ちでふと視線を感じた。横目で見ると、見知った顔があった。近所の学校で教師をしている男だ。名前は確か、佐伯といったか。彼は傘も差さず、私が転んで恥ずかしい思いをした様子をじっと見つめている。その目が異様だった。同情でも呆れでもない、もっと粘着質な、何かを堪能するような眼差し。背筋に悪寒が走る。職場に着いても不運は続いた。書類を床に落としたり、コーヒーをこぼしたり。 「大丈夫? 随分とあわただしいね」 同僚に声をかけられ、曖昧に笑うしかない。昼休み、私は近くの公園で頭を冷やすことにした。ベンチに座って深呼吸していると、またあの教師が現れた。 「おや、朝も見かけたね。随分と派手に転んでいたが、怪我はないかい」 声をかけられて身構える。 「はい、大丈夫です。ありがとうございました」 早く立ち去ってほしい。しかし彼は私の隣に座った。 「君、面白い体質をしているようだね」 何のことか分からず、私は眉をひそめた。 「いや、悪い意味じゃない。ただ、君のその不運、実はとても貴重なものかもしれないよ」 彼の視線が私の肢体を舐めるように動く。その瞬間、私は直感的に理解した。この男は危険だ。だが、逃げる間もなく彼は何かを呟いた。古びた日記のようなものを取り出して、私に見せてくる。 「これに興味はないかい? 君のような子にぴったりだ」 表紙には奇妙な紋章が描かれていた。

1章 / 全10

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