文化祭のメインステージには、各部門の代表作品が並べられていた。悠斗と奈々のオムライスは、その中でも異彩を放っていた。歪な卵の形、にじみ出たケチャップ、不揃いなライスの山。審査員たちは顔を見合わせ、失笑を漏らす。 「これは……ユニークな見た目ですね」 悠斗は顔を伏め、奈々の手を握りしめた。 「どうしよう、やっぱりダメだったかも」 しかし、奈々は動じない。 「味は負けてないから」 審査員が一口食べた瞬間、その表情が変わった。 「これは……! 卵がふわふわで、ライスの出汁が効いてる。見た目で判断して申し訳ない」 次々と試食が進み、会場はざわめきに包まれた。結果発表の時、司会者がマイクを握る。 「優秀賞は……料理部、オムライス! そして特別賞として、夫婦漫才賞を贈呈します!」 会場から大きな拍手が沸き起こる。二人は壇上に立ち、賞状を受け取った。その時、奈々が悠斗の耳元に唇を寄せる。 「ねえ、悠斗くん。一つ言いたいことがあるの」 小声で囁かれた言葉に、悠斗は目を見開く。 「実は最初から知ってたんだ。あの弁当、妹さんのだったって」 悠斗は息を呑む。 「えっ……」 奈々は悪戯っぽく笑い、さらに続けた。 「悠斗くんが包丁握ってるとこ見た時、すぐわかった。でも、その不器用なところも……全部好きになっちゃった」 悠斗は呆然と彼女を見つめる。 「じゃあ、罰とか……」 『練習』も全部、意味があったんだよ」 観客の喝采が遠く響く中、奈々は悠斗だけに聞こえる声で囁いた。 「悠斗くんの特製ソース、私、昨日たっぷり味見させてもらったよね。美味しかったよ」 悠斗の顔が瞬時に紅潮する。 「な、奈々ちゃん……」 彼女は満足げにウィンクを送り、壇上から降りるよう促す。 「夜、部室で。今度は私が悠斗くんにご褒美あげる」 二人は手を取り合い、ステージを降りた。拍手の中、悠斗は小さく呟く。 「……好きだよ、奈々ちゃん」 奈々は何も言わず、ただ微笑んで彼の手を強く握り返した。二人の新しい関係は、これからも料理部の秘密として続いていく。
検閲済みプロット
県立青葉高校の料理部員・悠斗は、片思いの同級生・奈々に妹が作った弁当を自作だと嘘をついてしまう。料理ができない悠斗は放課後の部室で必死に特訓するが、それを奈々に見つかりペナルティとして身体で償わされる。その後、二人は文化祭のコンテストに向けて練習を重ね、調理中の密着や食材を使った遊びを通じて激しく求め合う。本番当日、二人のオムライスは形は悪いが味は好評で『夫婦漫才賞』を受賞。奈々は最初から嘘を見抜いていたと明かし、二人は夜の部室で再び結合する。




















