エラベノベル堂

媚薬まみれの潜入は過酷だ

18+ NSFW

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第2章 / 全10章

「見学希望の学生という設定でアポイントは取ってあります。ただし、夜間の見学ということになっているので気をつけて」 田代からの念押しが脳裏によぎる。ひなたは工場の通用口から敷地内へと滑り込んだ。夜の九時、正規の見学時間は終わっているが、特別枠としての訪問だ。 「それにしても、怪しい工場ね」 薄暗い廊下を足音を殺して進む。壁には配管が複雑に張り巡らされ、どこからか機械的な駆動音が響いてくる。白衣のポケットには小型カメラ、もう片方にはスマートフォンが入っていた。 「こちらですか」 案内役としてついてきたのは、痩せぎすな中年男だった。名札には 「作業主任・山本」 とある。 「ええ、このラインで特殊な潤滑剤を製造しているんですよ」 山本は無愛想に説明しながら、広い作業場へと案内した。そこには巨大なタンクとコンベアが並び、無数のボトルが流れていく。 「こちらのローションは、一般的な製品と何が違うんですか?」 ひなたは無邪気な学生を装って尋ねた。 「成分が少し特殊でね。より滑りが良く、持続性もある」 山本はそう答えたが、その目には疑念の色が浮かんでいた。ひなたは会話を続けながら、小型カメラで製造ラインを撮影していく。タンクの横には 「成分K-77」 と記されたドラム缶が置かれていた。 「トイレをお借りしてもいいですか?」 「ああ、廊下を出て右側だ」 山本が背を向けた瞬間、ひなたはドラム缶に近づいた。蓋が少し開いている。中を覗き込むと、黄金色の液体が鈍く光っていた。スマートフォンを取り出し、証拠写真を連写する。 「何をしている」 背後から低い声が響いた。振り返ると、二名の警備員が立っていた。 「あ、いえ、トイレを探していて」 「山本主任から連絡があったぞ。不審な動きをする学生がいると」 警備員の一人がひなたの腕を掴んだ。その瞬間、彼女の体質が発動する。密接接触した相手の精力を増幅させる能力だ。 「っ、なんだこの娘」 警備員が顔を赤らめ、呼吸を荒げた。ひなたは舌打ちしたくなった。意図せず能力が発動してしまったのだ。 「連れて行け」 数分後、ひなたは工場長室に引き出された。重厚なデスクの向こうには、肥満体の男が座っている。 「工場長の田村だ」 田村はねっとりとした視線でひなたを上から下まで舐めるように見た。 「白衣の下に水着とは、変わった趣味をお持ちだ」 「見学のつもりだったんですが、迷ってしまって」 「嘘をつくな。お前が何者かは調べればわかる」 田村は立ち上がり、ひなたの前に歩み寄った。白衣の襟元に手をかけ、無理やりにはだけさせる。 「なるほどな。悪くない体だ」 ひなたは身を強張らせた。この状況、まずい。能力が発動すれば事態はさらに悪化する。 「お前、何か特別な体質を持っていないか?」 田村が耳元で囁いた。ひなたの心臓が早鐘を打つ。

第2章 / 全10章

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