電車が大きく揺れ、减速の衝撃が車内を駆け抜けた。 「あ……!」 ひなたの身体から力が抜ける。体内を貪っていた触手たちが一斉に動きを止めた。 「何……どうしたの……?」 困惑する間もなく、電車が終点のホームへと滑り込んだ。軋むようなブレーキ音と共に、車内アナウンスが響く。 「終点です。お客様、降り口をご確認の上……」 その声を合図にしたかのように、天井から伸びていた触手たちが灰のように崩れ落ちた。 「え……消えた……?」 ぬめりを帯びた体躯が、瞬きする間に粒子となって霧散していく。床に落ちた粘液もまた、蒸発するように消え失せた。 「うっ……頭が……」 周囲の乗客たちが次々と正気を取り戻す。恍惚に染まっていた表情が、困惑と恐怖へと変わっていく。 「な、何だここは……!」 「おい、どうなってるんだ!」 中年の男が我に返り、自分の置かれた状況を理解できずに叫んだ。隣にいたOL風の女性も、自分の乱れた服装に気づき、悲鳴を上げる。 「いや……私、何を……!」 乗客たちは蜘蛛の子を散らすように出口へと殺到した。押し合いへし合いしながら、誰も振り返ることなく車外へと逃げ出していく。 「あ……」 ひなたは一人、がらんとした車内に残された。白衣は床に落ちたままだ。黒いスクール水着一枚の姿で、膝をついて息を整える。 「終わった……の?」 身体にはまだ催淫液の影響が残っている。肌は熱く火照り、秘所からは注ぎ込まれた精液がじわりと溢れ出していた。 「くっ……最悪だ……」 震える手で床の白衣を拾い上げ、身体を包む込む。布地が肌に触れるだけで、敏感になった神経が疼く。 「早く……帰らなきゃ」 立ち上がろうとした時だった。下腹部の奥で、ぴくりと何かが動いた。 「っ!?」 手を止め、自分の身体を見下ろす。外見上は何も変わっていない。だが、感覚だけは確かに告げていた。 「嘘……何かいる……」 子宮の奥深くに、異物が存在している。温かく、脈打つような感覚。 「まさか……種……?」 戦慄が背筋を駆け上がる。触手たちは消滅した。しかし、それは敵を撃退したからではない。 「私の体の中に……何かを残していったんだ」 ひなたは震える指先で下腹部に触れる。熱がある。いや、熱を帯びているのは彼女の身体ではない。中に宿った 「それ」 だ。 「くっ……!」 悔しさに唇を噛みしめる。魔法少女として戦い、守り抜くつもりだった。だが結局、敵の思う壺だったのだ。 「いや……まだ終わってない」 彼女は白衣の前をきつく合わせ、震える足で立ち上がった。 「この種が何なのか、どうすれば消せるのか……絶対に突き止める」 ドアが開いたままの出口へと歩を進める。ホームには逃げ出した乗客たちの騒ぎが聞こえていた。 「私は魔法少女桜羽原ひなた。ここで終わるわけにはいかないの」 一歩、また一歩と前へ進む。体内に宿った異物が、歩くたびに存在感を主張する。 「待ってて……絶対に追い出してやる」 しかし彼女は知らなかった。その種が、やがて彼女の運命を大きく変えることを。戦いは終わったのではない。静かに、確実に、新たな幕が開けようとしていたのだ。 ひなたは駅の出口へと向かい、夜の街へと歩き出した。その背中は、一見すれば日常に戻ったかのように見えた。しかし、彼女の体内では、着実に新たな脅威が根を張り始めていたのである。
検閲済みプロット
魔法少女となった桜羽原ひなが満員電車内で触手と乗客に襲われ、催淫効果のある体液で翻弄されながらも抵抗する物語。




















