エラベノベル堂

快楽地獄の女王

18+ NSFW

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1章 / 全10

「エリカ、購買部への備品搬入を頼んだぞ。終わったら直ぐに戻ってこい」 「はい、直ちに参ります」 深夜の学園。廊下に響く私の足音だけが、カツン、カツンと冷ややかに反響している。名門・聖アンジェリカ学園。昼間は貴族や富豪の子女たちで賑わうこの場所も、陽が落ちれば静寂に包まれる。私はここで働くメイドだ。仕事自体は決して嫌いではない。ただ、夜の学園はどうにも落ち着かない。 備品を載せたワゴンを押してエレベーター前に立つ。上階の職員室へ向かう必要があった。ボタンを押し、扉が開くのを待つ。鏡張りの扉が左右にスライドし、薄暗い箱の中へと招き入れられる。 「……」 乗り込んでから数秒。重い音を立てて扉が閉じた瞬間、背筋に冷たいものが走った。何だろう、この感覚。まるで、私ではない誰かが同じ空間にいるような。 「……誰かいらっしゃいますか?」 問いかけた声は、予想以上に震えていた。返答はない。当たり前だ。私は一人なのだから。 チン、という到着音が鳴るはずだった。だが鳴らない。エレベーターは動き出さなかった。それどころか、内部の照明が不規則に明滅し始めたのだ。 「え……何これ」 ブゥン。低い機械音が足元から響く。停電か? そう思った瞬間、床のタイルがギシリと軋んだ。継ぎ目から何かが這い出ようとしている。 薄暗闇の中で目を凝らす。それは金属的な質感を持った異形の物体だった。コードが幾重にも絡み合い、まるで蛇のように蠢いている。 「嘘……でしょ」 電動マッサージ器だ。それも、ただの製品ではない。まるで意思を持った生き物のように、振動するヘッドがゆっくりとこちらへ向かってくる。私は後ずさりしたが、背中は既に冷たい鏡面に張り付いていた。逃げ場などない。 逃げなきゃ。でも、体が動かない。 「やめて……来ないで」 ブゥン、という振動音が大きくなる。逃げられない密室で、私は迫りくる異形と対峙していた。

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