「ねぇねぇ、お姉ちゃん」 深夜、テントの外から無邪気な声が聞こえ、美優は目を覚ました。ランタンの明かりは既に消えており、テントの中は闇に包まれている。 「今の声……」 『誰?』 頭上に浮かんだ吹き出しが、淡い光を放つ。美優は恐る恐る体を起こし、テントのフラップに手をかけた。 「お姉ちゃん、出てきてよ」 外には複数の人影があった。月明かりに照らされたその姿を見て、美優は目を丸くする。そこにいたのは、見た目が十歳程度の子供たちだった。だが、その瞳には幼児特有の無垢さとは異なる、昏い光が宿っている。 「あなたたち、どこの子?」 『迷子かな』 美優がテントから出ると、子供たちは一斉に顔を輝かせた。 「わぁ、いい匂い」 「ほんとだ、お姉ちゃんからすごくいい匂いがする」 彼らは美優の周りに群がり、鼻を鳴らしながら匂いを嗅いでくる。 「あの、おうちの人は?」 『保育士として気になる』 美優が尋ねると、一人の少年がニヤリと笑った。 「僕たち、この森に住んでるんだ。お姉ちゃんの体に描かれた文様、あれの匂いがしたから来たんだよ」 「文様……麗華さんが描いてくれた護符のこと?」 『でもどうして分かるの』 「あれはね、僕たちを呼ぶ印なんだ」 少女が美優の腕に触れた。冷ややかな指先が肌を滑る。 「護符じゃないの?」 「ううん。僕たちをお姉ちゃんのもとに導く、誘蛾灯みたいなもの」 美優は後ずさりしようとしたが、体が動かない。文様が熱を帯び始め、痺れるような感覚が全身を包んでいた。 「動けないよ。その文様、僕たちのために作られたんだから」 少年が美優の太ももに手を置いた。文様が描かれた部分が熱く脈打つ。 「やめて……」 『怖い』 「怖がらなくていいよ。僕たち、お姉ちゃんと遊びたいだけだから」 少女が美優の胸に顔を埋めた。熱い吐息が肌にかかる。 「いい匂い……僕たち、もう我慢できない」 美優の抵抗むなしく、子供たちは彼女を地面に押し倒した。月光の下、金色の文様が妖しく輝いている。 「お姉ちゃん、僕たちのこと、いっぱい愛してね」
森の女王
18+ NSFW小説ID: cmnp7cies001001lffjqaqr08

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