エラベノベル堂

不運が反転する

18+ NSFW

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1章 / 全10

「お嬢様、深夜の勉強お疲れ様です」 静寂に包まれた屋敷の一室、読書灯の明かりだけが灯る書斎で、私は重たい参考書に目を通していた。富豪の娘として生まれながら、あえてメイドとして働くという奇妙な人生を送る私、白峰院雪乃にとって、夜は唯一の勉強時間だ。 「ありがとう、健太。コーヒーのおかわりをいただける?」 「かしこまりました」 若き執事の健太が恭しく頭を下げ、部屋を出ていく。端正な横顔に心臓が跳ねたが、私はすぐに視線を本へ戻した。 私には生まれつきの不運体質がある。階段で足を踏み外す、スカートが風で捲れる、濡れた床で派手に転ぶ――そんな事故が日常茶飯事だ。今日もまた何か起こるのではないかという予感が背筋を走る。 「うぅ、足が痺れた……」 立ち上がって伸びをしようとした瞬間、足元の本が滑った。バランスを崩した私は無様にも床に倒れ込む。 「いったぁ……」 運悪くメイド服のスカートが捲れ上げられ、白い太ももが露わになる。恥ずかしい恰好で突っ伏していると、ドアが開いた。 「お嬢様、コーヒーをお持ちしました――あっ」 戻ってきた健太と目が合う。彼の視線が私の露出した脚に落ち、慌てて目を逸らした。 「す、すみません!今のことは……」 「いいえ、気にしないで。私がドジなだけよ」 顔を真っ赤にして立ち上がるが、スカートの裾が何かに引っかかっていた。さらに無様にも下着が透けるほど薄いスリップが見えてしまっていることに気づき、私は顔から火が出そうだった。 健太はプロだ。何も見なかったかのようにコーヒーを置いてくれたが、耳まで赤くなっている。 「お嬢様、怪我はありませんか?」 「ええ、平気……ありがとう」 彼が出て行った後、私は深く溜息をついた。これが私の日常だ。しかし今夜は何かが違う気がした。廊下の奥からクスクスと笑い声が聞こえたような―― 「お姉さま、今日も不運ね。でも今夜は特別よ」 義理の妹、世界エロ教の教祖である白峰院瑠璃の声が脳裏に響く。私は嫌な予感に震えた。彼女が私をターゲットに定めたその時、全ての歯車が狂い始めたのだ。

1章 / 全10

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