エラベノベル堂

堕ちた先に、王座あり

18+ NSFW

小説ID: cmnq5435t000c01mlw02solet

1章 / 全10

重たい瞼を持ち上げると、真っ白な天井が視界に飛び込んできた。見覚えのない空間に、美由は困惑しながら体を起こした。全身が鉛のように重く、頭の中には霧がかかったようにはっきりしない。 「あら、お目覚めですか」 声のした方へ振り向くと、スーツ姿の長身の男が椅子に腰掛けていた。整った顔立ち、冷ややかな眼差し。義理の兄、天童だった。 「ここは……」 「私が園長を務める全寮制の学園です。美由さん、あなたはここで保育士として働くことになっていますよ」 記憶の糸を手繰り寄せようとするが、断片的な映像が浮かぶだけ。確か、実家での暮らしが辛くて……そこから先が思い出せない。 「無理に思い出す必要はありません。大事なのは、これからです」 天童が立ち上がり、窓の方へ歩いていく。カーテンを引くと、広大な庭園と、その中に点在する可愛らしい建物が見えた。 「ここには『特別な子供たち』が暮らしています。普通の学園とは違いますが、あなたならきっと彼らの良き保育士になれる」 美由は自分の身体を見下ろした。着ているのは見慣れない白いエプロンドレス。それに、下着の感触がおかしい。シルクのような滑らかな生地だが、何かが…… 「着替えはすでに済ませてあります。制服ですよ」 天童の言葉に、言いようのない不安が胸を過る。彼が自分の着替えを見ていたのだろうか。 「園内をご案内しましょう。子供たちがあなたを待っています」 廊下を歩きながら、美由は不思議な感覚に襲われた。静かすぎるのだ。子供の声がまったく聞こえない。 「こちらです」 重厚な扉を開けると、そこには数人の幼い子供たちがいた。天使のように可愛らしい顔立ち、透き通るような肌。けれど、彼らの瞳にはどこか妖しい光が宿っているように見えた。 「ようこそ、新しい先生」 一人の少年が近づいてくる。無邪気な笑顔のはずなのに、背筋に冷たいものが走った。 「美由先生、これから一緒にたくさん遊びましょうね」 少年の手が美由の腕に触れた瞬間、熱い疼きが下腹部を走った。理解できない感覚に、美由は自分の身体ではない誰かに操られているような恐怖を覚えた。彼女はまだ知らない。この学園が、人間界と魔界を繋ぐ場所であることを。そして彼女自身が、この先に待ち受ける狂気の儀式の鍵となる存在であることを。

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