エラベノベル堂

催眠の闇で未来を掴む

18+ NSFW

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1章 / 全10

痛みが消えていた。最後に記憶しているのは、雨の夜、横断歩道を歩いていた時のけたたましいブレーキ音。それから何もかもが闇に溶けていたはずだ。 「ここは……」 薄暗い石造りの部屋。見知らぬ天井。美和はゆっくりと身を起こした。体が違う。いや、同じなのに根本的に何かが変わった。視界が異常に鮮明で、暗闇の中でも部屋の隅まで見通せる。 「一体何が起きたの……」 保育園からの帰り道だった。新人保育士として忙しい日々を送っていた二十三歳の自分。それが今、見知らぬ場所にいる。美和は自分の手を見た。白く、滑らかで、以前よりもずっと美しい。そして何より、体の奥底から湧き上がる熱。胸の奥が疼くような、甘い痺れ。 「っ……」 思わず自分の体を抱きしめる。肌が敏感すぎる。布擦れだけでぞくりとする。それに、胸が。美和はおそるおそる自分の胸元に手を当てた。以前よりも明らかに膨らんでいる。腰の曲線も、太ももの付け根の感触も、すべてが別人のようだ。 「目覚めたか」 低い男の声。美和は弾かれたように顔を上げた。部屋の奥、玉座のような椅子に男が座っている。闇に溶け込むような黒い衣装。冷ややかな眼差し。けれどその顔には見覚えがあった。 「ひろ……き?」 幼馴染の宏樹。高校卒業以来、会っていなかったはずの彼。彼は口元に微かな笑みを浮かべ、ゆっくりと立ち上がった。 「久しぶりだな、美和」 変わらない声。けれど纏っている空気は別人のよう。圧倒的な威圧感。 「どうしてここに? それに私の体、何かおかしいの。病院じゃないの?」 美和は混乱しながら問いかけた。宏樹は彼女の前に立つ。見下ろす瞳には、複雑な感情が渦巻いていた。 「お前は死んだんだ。あの事故で」 残酷な宣告。 「それで、ここは?」 「裏世界だ。人間界の裏側。ここでは人間の常識は通じない」 彼は美和の顎を指先で持ち上げた。 「そしてお前は、サキュバスとして転生した」 サキュバス。悪魔の女。男を誘惑し、精気を吸う存在。 「嘘でしょ……」 美和は震える声で呟いた。 「嘘じゃない。その体が証拠だ」 宏樹の指先が美和の頬を滑る。ぞくりとした快感が背筋を駆け上がった。 「敏感になっているはずだ。体の奥が疼いて仕方ないだろう?」 図星だった。美和は本能的な恐怖と、説明のつかない欲望の間で揺れた。 「 welcome to my world、美和。ここからがお前の新しい人生だ」

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