エラベノベル堂

不幸を愛に変える

18+ NSFW

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2章 / 全10

アパートのドアを開けると、そこには見慣れたショートカットの少女が立っていた。夕暮れの光が廊下に差し込み、莉月の真剣な表情をオレンジ色に染めている。 「よう、莉月。珍しいな、連絡なしで来るなんて」 俺は彼女を部屋に招き入れる。莉月は幼馴染であり、俺の不幸体質を一番よく知る相手だ。彼女は靴を脱ぐなり、キョロキョロと部屋の中を見回した。 「結仁くん、今日バイトで何か変わったことなかった? 何か見つけたり、変なものに触れたり」 その言い方が気になった。 「……どうしてそんなことを聞くんだ?」 俺はバイト帰りに購入した缶コーヒーをテーブルに置き、封印された黒革の日記を取り出した。 「実は、これを見つけたんだ。棚の奥にな」 莉月の表情が凍りついたのがわかった。彼女の視線が日記に釘付けになり、唇がわずかに震える。 「それ……どこで見つけたの」 「大学の事務室の棚の奥だ。何重にも封印されてて、なんとなく開けずに持ち帰ったけど」 莉月が突然、俺の手から日記をひったくった。 「捨てて! 今すぐ捨ててよ、結仁くん」 「えっ、待ってくれよ。まだ中身も見てないし」 「これは呪いの日記なの! 見つけた人はみんな不幸になるのよ。だからお願い、私にさせて」 彼女の声が裏返る。必死さが滲み出ていたが、どこか不自然だった。呪いの日記、という言葉自体が嘘くさい。俺は莉月の手首をそっと掴んだ。 「莉月、落ち着いて。君が何か隠してるのはわかるぞ」 彼女は顔を伏せ、日記を胸に抱きしめたまま黙り込む。俺はその必死な様子に、言いようのない違和感を抱いていた。彼女は普段、こんなふうに取り乱すような子じゃない。日記には何か、彼女が隠したい秘密が関わっているのかもしれない。

2章 / 全10

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