エラベノベル堂

甘き香りの誘惑者

18+ NSFW

小説ID: cmntk79jb000301qoduqzbxlr

2章 / 全10

美咲は小さな侵入者たちを追いかけ回していた。彼らは机の上を駆け、引き出しを開け、本棚によじ登る。 「ちょっと!勝手に触らないでよ!」 「わぁ、何これ!」 一人がカラフルなファイルを開いた。中には美咲が描いたイラストが入っている。 「絵だ!上手だね~」 「見ないでってば!」 美咲は手を伸ばした。その瞬間、世界が静止した。 「え……?」 窓の外の木の葉が、風に揺られたまま空中で止まっている。時計の秒針が、時を刻むことなく固まっている。舞い上がっていた埃さえも、空中で凍りついたように。 「時間、止めちゃった!」 小人の一人が楽しそうに声を上げた。 「これでゆっくり探索できるね」 「待って、何を……!」 美咲は自分の体を動かそうとした。だが、指一本動かせない。意識だけがはっきりしているのに、身体が言うことを聞かない。金縛りのような感覚。いや、もっと根本的な何かが変わってしまった。 「これ、何かな?」 小人が引き出しの奥を覗き込んだ。美咲の心臓が跳ねた。そこには彼女が隠していた大人のグッズが入っている。小さな振動器具。 「わぁ、光るよ!」 スイッチが入れられ、ブーンという微かな音と共に小さな光が点滅する。 「何に使うのかな?」 「大きな人には大きな道具が必要なんじゃない?」 彼らは無邪気に笑い合う。美咲は心の中で必死に叫んだ。やめて、それを見ないで!でも、時間が止まった世界では、彼女の羞恥心も抵抗も届かない。一人の小人がそれを手にしたまま、美咲の方へ歩いてきた。 「ねえ、これ使ってみようよ」 「えっ、どこに!?」 美咲の身体は動かない。小人はそれを彼女の首筋に当てた。直接肌に触れた振動は、時間が止まっていても奇妙な感覚として意識に残る。 「ふふっ、くすぐったい?」 声に出ない叫び。それでも、微かな熱が身体の中に染み込んでいく。 「あの方に似てるね、この人」 「うん、懐かしい匂いがする」 彼らは何かを探しているようだった。部屋の中をさらに探索し、あるものを見つけた。 「あった!」 それは美咲の家宝である古いこけし。写真と共に飾られていた木製の人形だ。 「これだよ、これを探してたの!」 その瞬間、世界が動き出した。 「はっ……!」 美咲は大きく息を吸い込んだ。時計の秒針が動き、窓の外の風景が戻る。身体の感覚が一気に戻ってきた。だが、何かがおかしい。首筋に残る微かな痺れ。服のどこかが少しずれているような違和感。そして身体の奥底に残る、言いようのない熱。 「何が……起きたの……?」 小人たちはこけしを抱え、キラキラと輝く瞳で美咲を見上げていた。 「ありがとう、見つかったよ!」 「えっ、何が?待って、何が起きたの!?」 美咲の混乱をよそに、彼らは顔を見合わせて頷き合った。 「あの方に伝えなきゃ」 「そうだね、準備できたよ」 美咲はまだ理解できていなかった。自分の日常が、さらに大きな変化に向かっていることを。

2章 / 全10

年齢確認

このサイトには、18歳未満の方の閲覧に適さない表現が含まれる可能性があります。

あなたは18歳以上ですか。

TOPへ