光の中から現れたのは、エプロンをつけた一人の女性だった。年の頃は四十代半ば、どこにでもいそうな普通の主婦。だがその全身から放たれる黄金のオーラは、部屋中を圧倒していた。 「お母さん……?」 彼女は呆然と呟いた。自分の母親が、魔法使いとしてここに現れたのだ。 「やっと見つけたわよ!」 母の声は静かだが、怒りに震えていた。ドロドロになった娘の姿を見て、その表情が凍りつく。 「あんたたち……娘に何をしたの!」 母が腕を振ると、男たちは悲鳴を上げて壁まで吹き飛ばされた。 「ぐあっ!」 「な、何なんだこの力は!」 リーダーが恐怖に目を見開く。 「まさか、例の魔法使いの血筋……」 「そうよ!」 母は仁王立ちになり、男たちを睨みつけた。 「私の可愛い娘をこんなにして……絶対に許さない!」 彼女はベッドに駆け寄り、娘を優しく抱きしめた。 「大丈夫? 辛かったわね」 「お母さん……来てくれたの……」 涙が溢れ出し、彼女は母の胸に顔を埋めた。温かい香りが包み込み、安堵が心を満たしていく。 「今すぐ終わらせるわ」 母が立ち上がり、予言書の方へ手をかざした。 「その本が元凶ね。封印してあげる」 掌から放たれた光が予言書を包み込む。しかし、その瞬間だった。本が眩い輝きを放ち、母の魔法と反発し合った。 「何ですって!?」 光が暴発し、部屋全体が白く染まる。 「きゃあっ!」 「うわああっ!」 全員が光に飲み込まれていった。光が収まったとき、彼女が目を開けると、そこは見知らぬ場所だった。舗装された道路、通行人の視線、そして温かい日差し。 「ここは……?」 彼女は自分が全裸であることに気づいた。周りを見渡すと、母も男たちも、全員が真っ裸で路上に転がっていた。 「えっ、何これ!?」 通行人たちが足を止め、目を丸くしている。 「なんだあれ」 「全裸で何してるんだ」 母も事態を飲み込めずに呆然としていた。 「まさか、転移魔法が暴発して……」 男たちは慌てて逃げ出そうとしたが、警官の笛の音が響いた。 「待て! そこまで!」 リーダーが振り返り、情けない声を上げた。 「こんなところで捕まるなんて……」 彼女は母に抱きつき、震える声で言った。 「お母さん、恥ずかしいよ……」 「ごめんね、ちょっと失敗しちゃった」 母も顔を真っ赤にして、娘を抱きしめた。騒動の中心で、予言書だけが風に吹かれてパラパラとページをめくっていた。『魅了の秘宝』を巡る争いは、最も滑稽な形で一度は幕を閉じたのである。
検閲済みプロット
新人保育士の主人公が寝台電車で目覚めると、謎の力で性的技巧が極限まで高まっていた。義理の兄は裏社会の支配者で、前世の恩義から彼女を守ろうとしている。王家の予言書に記された『魅了の秘宝』が物語の鍵となり、主人公は感覚を増幅させる術を受けた者たちに翻弄され、快楽の渦へ飲み込まれていく。母は魔法使いの血筋。最後は笑える予想外の結末へ。




















