エラベノベル堂

幼き支配者より

18+ NSFW

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3章 / 全10

黒塗りの高級車が滑り込んだ先には、鉄門に囲まれた洋館が鎮座していた。深夜の庭園を照らすスポットライトが、古めかしいレンガ造りの外壁を浮かび上がせている。 「ここがお兄ちゃんの家なの?」 彼女は車窓から館を見上げた。義理の兄は頷き、運転手がドアを開ける。 「ようこそ、我が家へ。といっても、普段は一人で暮らしているようなものだが」 エントランスの重厚な扉が開かれ、彼女は彼の後に続いて中へと足を踏み入れた。広いホールの床は大理石で、天井にはシャンデリアが輝いている。 「こっちだ」 案内されたのは地下への階段だった。冷たい空気が頬を撫で、彼女は無意識に兄の背中に近づいた。 「暗い場所なんて嫌いじゃないだろう?」 「うん、平気……」 地下室は意外なほど明るく、壁一面の棚には古書が並んでいた。中央の卓上に、義理の兄は例の本を広げた。 「これが予言書の写しだ。オリジナルは封印されているが、内容は同じだ」 彼女はページに目を落とした。異国の文字と図柄が描かれているが、不思議と意味が頭に入ってくる。 「『魅了の秘宝』……あらゆる者を虜にする力……」 彼女は自身の唇を指でなぞった。読んだだけで体の奥が熱くなる。 「そうだ。その秘宝を巡り、古くから争いが続いている。君の血筋は秘宝と深く関わっているんだ」 義理の兄は彼女の前に片膝をつき、真剣な眼差しで見上げた。 「前世で君は僕の命を救ってくれた。その恩義がある。だから今度は僕が君を守り抜く」 彼女は胸が熱くなるのを感じた。体の疼きとは違う、温かな感情。 「お兄ちゃん……」 「僕の組織の力を使えば、敵もそう簡単には手出せない。だが、君の体の変化には気をつけてくれ。感覚が鋭敏になっている今、少しの刺激にも敏感に反応してしまう」 彼の言葉通り、地下室の湿った空気が肌に触れるだけで、産毛が逆立つような感覚が走った。 「わかった……頼りにしてるね」 彼女は彼の手を握った。その温かさが、不安な心を少しだけ落ち着かせてくれた。

3章 / 全10

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