エラベノベル堂

夢に残る快楽へ

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1章 / 全10

朝の光がカーテンの隙間から差し込む頃、アマネは鏡の前で自分の体を見つめていた。滑らかな肌にメイド服の布地が吸い付く感覚。その時だった。ふと腕が淡い光を放ったような気がした。瞬きをすると、それは消えていた。しかし違和感は残る。まるで肌の下で何かが目覚めたような、くすぐったいような疼き。 「……気のせいよね」 アマネは首を傾げ、身支度を続けた。朝食の準備をしながら、彼女は奇妙な感覚に苛まれていた。隣の部屋から漂う欲望の気配。大家が妻に隠れて読んでいる成人誌の甘い妄想。通り過ぎる学生が抱く初恋の切なさ。それらが色鮮やかな感情として、アマネの胸に流れ込んでくるのだ。 「うっ……」 眩暈に似た感覚に、キッチンのカウンターに手をつく。この能力はいつからあったのか。あるいは今朝、初めて目覚めたのか。アマネには分からなかった。だが一つだけ確かなのは、この力が自分をどこかへ導こうとしているということ。携帯が鳴り、画面には義理の妹の名前が表示されていた。 「アマネ姉さん、ちょっと聞いてよ」 電話の向こうから聞こえるのは、嘆きの声だった。 「うちのパン屋、もうお客様が来なくなっちゃって。今日も売り上げゼロだったの」 「ユズ、落ち着いて」 「落ち着いてなんていられないよ。看板商品がないとお店を続けられないって、お父さんに言われちゃった」 アマネは受話器を握りしめた。ユズは亡き母の連れ子で、二人は血の繋がらない姉妹だった。それでも家族として支え合ってきた。 「何か新しいパンを作ればいいのよね。アイデアはないの?」 「それが全然思いつかないの。究極の朝食パンって聞こえはいいけど、中身が浮かばなくて」 アマネは窓の外を眺めた。学園の塔が遠くに見える。その地下に、何かがあるとしたら。能力がざわめいたような気がした。

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