朝の光がカーテンを透して部屋を満たす。アマネは自室のベッドで目を開けた。シーツは乱れ、パジャマのボタンがいくつか外れていた。 「……夢?」 地下での出来事、ボンテージ姿の男女、そして激しい情交の記憶。それらすべてが、まるで一夜の幻のように霞んでいた。 「私、何を……」 体を起こそうとして、アマネは違和感に気づいた。太ももの内側が熱を帯び、秘所が微かに疼いている。体の奥に、何かが満たされたような感覚が残っていた。 「あれ……」 唇を指先で触れると、甘い味が残っていた。鉄のような、そして果実のような。あの地下で飲まされた体液の味。 「まさか……」 アマネは慌ててシーツをめくった。そこには何の痕跡もない。でも、肌にはうっすらと赤い跡が残っていた。手首には、まるで拘束されていたかのような薄い痣。胸の先も、執拗に弄ばれたかのように敏感になっていた。 「嘘……」 心臓が早鐘を打つ。夢だとしたら、あまりにも生々しい感覚だった。でも、なぜか一つだけ鮮明に残っているものがあった。脳裏に焼き付いた金色の文字。究極の朝食パンのレシピ。 「温度二十八度……湿度七十五パーセント……一次発酵六時間……」 自然と口から言葉が溢れる。 「特別な発酵菌を使用……黄金色のクリームを練り込み……焼成温度は二百二十度……」 ドアが勢いよく開いた。 「アマネ姉さん!」 ユズが飛び込んでくる。目は涙で赤く腫れていた。 「どうしたの?」 「お店……お父さんがもう駄目だって……閉めるしかないって……」 ユズはベッドに顔を埋めて泣き出した。アマネは妹の頭を撫でながら、ゆっくりと口を開いた。 「ユズ、聞いて。私、夢を見たの」 「夢?」 「究極の朝食パンのレシピ。それが見えたわ」 アマネは声を抑えながら、脳裏に刻まれた配合を語った。ユズの涙が止まり、瞳に希望の光が灯る。 「これ……本当?」 「ええ、不思議だけど……鮮明に覚えているの」 ユズは立ち上がり、深く頷いた。 「ありがとう、姉さん。夢で見た奇跡のパン、作ってみる!」 妹が部屋を出て行くと、アマネは窓の外を眺めた。学園の塔が朝日に輝いている。その地下に、まだあのサロンが存在しているのかもしれない。 「でも、本当に夢だったのかしら……」 下腹部に残る熱。唇に残る甘い味。手首の薄い痣。そして不思議な感応力は、まだ体の奥で微かに脈打っていた。ふと、枕元に金色のカードが置かれているのが目に入った。『また会えるのを楽しみにしている』カードにはそれだけ書かれていた。署名はない。でも、赤いドレスの女の甘い香りが微かに漂っていた。アマネはカードを握りしめた。 「……まあ、いいわ。ユズのお店が救えるなら」 朝の光が部屋を満たす。そして、アマネの唇が微かに笑みを刻んだ。 「それに、悪い夢じゃなかったもの」 カードを引き出しにしまうと、アマネは立ち上がった。鏡の中の自分と向き合う。その瞳の奥に、金色の光が微かに揺らめいた気がした。アマネの体内で目覚めた感応力は、まだその役目を終えてはいない。この朝、物語は一つの区切りを迎えた──そう見えていた。
検閲済みプロット
メイドの主人公アマネが超能力に目覚め、学園の地下にある秘密結社に捕らわれる。そこではボンテージ姿の上流階級者が、催淫作用のある体液を用いて快楽の儀式を行っていた。彼らの相手をさせられるうちに、アマネは義理の妹であるパン屋のユズのための『究極の朝食』のアイデアを快楽の最中に思いつく。ラストは夢落ち。












