エラベノベル堂

真相が泡と弾ける

18+ NSFW

小説ID: cmnv0fq1d001n01s8hvb9flvm

2章 / 全10

「タイム……リーパー?」 健太は呆然と繰り返した。頭上の吹き出しには(頭おかしくなった?)と表示される。 「兄さん、信じてくれないのは残念だけど……」 美咲は悲しげに目を伏せた。 「私は何度もこの日を繰り返してきたの。百回、いえ……もっとかな」 「何を言って……」 「最初のループでは、私は普通の妹として振る舞った。でも兄さんは何も起こさず、私たちはただの義理の兄妹のまま終わった。二度目、三度目……私は積極的に動いた。誘惑もした。でも兄さんの抑圧された欲望は解放されないまま、あなたは孤独に溺れていった」 健太の喉が渇く。吹き出しには(本気で言ってるのか?)と浮かぶ。 「証拠を見せてあげる」 美咲は彼の手を取り、自分の胸に導いた。 「今日の朝、兄さんはコーヒーを二杯飲んだ。三杯目を淹れようとして、豆が切れていた。昨日の夜は論文の修正で深夜二時まで起きていた。右肩が凝っているから、さっきから時々揉んでたでしょ?」 彼は息を呑む。全て正解だ。 「どうして……」 「私、見てたから。何度も何度も、同じ朝を繰り返して」 美咲の瞳に、深い悲哀がよぎる。 「兄さんは毎回、私のことを抱けなかった。血の繋がりなんてないのに、倫理観が邪魔をして。……だから私は方法を変えた。この吹き出し現象を引き起こすことにしたの」 「現象を……引き起こした?」 「そう。兄さんの本音が可視化されれば、誤解も怯えも必要ない。私は兄さんの欲望を、全部受け止めたかったから」 彼女は健太の耳元に唇を寄せる。 「何度失敗しても、私は戻ってくる。兄さんが私を選んでくれるまで」 吹き出しの文字が変わる。(こんな風に想われて……俺は……)美咲は微笑んだ。 「今回こそは、きっとうまくいく。私はそう信じてる」

2章 / 全10

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