エラベノベル堂

勇者の本能、目覚める

18+ NSFW

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2章 / 全10

翌日、サクラは学校の教室でぼんやりと窓の外を眺めていた。昨夜の満員電車での出来事が頭から離れない。自分の体から甘い香りが分泌され、男たちを狂わせてしまった恐怖。そして、自分自身も感じてしまった背徳的な快感。 「おはよう、サクラちゃん」 友人の声に、彼女はハッと我に返った。 「あ、おはよう……」 「どうしたの? 元気ないね」 「ちょっと疲れてて」 嘘をつきながら、サクラは自分の腕を強く握りしめた。あの香りが出ないように必死に願う。チャイムが鳴り、先生が入ってきた。 「紹介する。今日から転校してきたレイだ」 サクラは顔を上げた。黒髪の美しい少年が教壇に立っている。整った顔立ち、すらりとした体躯。だが、その瞳には鋭い光が宿っていた。 「レイです。よろしく」 低い声が教室に響く。彼は静かに教室を見渡し、サクラと目が合った瞬間、微かに目を細めた。その視線に、サクラは背筋が凍るような感覚を覚えた。 「座る場所は……あそこか」 レイはサクラの隣の席へと歩いてくる。彼が近づくにつれ、サクラの心臓が早鐘を打ち始めた。 「よろしくな」 レイが席に座り、小声で囁く。その言葉には、奇妙な響きがあった。授業中、サクラは落ち着かなかった。レイの存在感が圧倒的で、意識せずにはいられない。ふと、彼女の肌がまた熱くなり始めた。 「まずい……またあの香りが……」 サクラは必死に耐えようとしたが、甘い香りが少しずつ漂い始める。周囲の男子生徒たちがざわめき始めた。 「なんかいい匂いしないか?」 「うん、すごく甘い香り……」 サクラは青ざめた。その時、レイの手が彼女の手の上に重なった。冷たい手のひらが、熱を帯びた肌に触れる。 「落ち着け。深呼吸しろ」 その声とともに、不思議なことに香りが収まっていった。サクラは驚いて彼を見た。 「君……何なの?」 レイは何も答えず、ただ静かに微笑んだ。放課後、サクラは職員室に呼び出されたふりをして、レイに呼び止められた。 「ちょっと話がある。屋上に来てくれ」 彼に従わざるを得ない雰囲気があった。屋上に着くと、レイは彼女を壁際に追い込んだ。 「君の体質、知ってるぞ」 サクラは息を呑んだ。 「体質って……何のこと?」 「とぼけるな。その香りだ。君の体から分泌される、男を狂わせる甘いガス」 図星を突かれ、サクラは言葉を失った。 「どうしてそれを?」 「俺は調べてるんだ。君のような体質の人間をね」 レイの瞳が真剣な光を帯びる。 「君は危険な状態だ。あの香りをコントロールできなければ、いずれ取り返しのつかないことになる」 「コントロール……できるの?」 「俺が教えてやる。ただし、条件がある」 「条件?」 「俺のそばにいろ。君を守るためだ」 サクラは彼の真意を測りかねた。だが、昨夜の恐怖を思い出し、頷かざるを得なかった。 「わかった……お願い」 レイは満足げに微笑んだ。 「いい返事だ。今夜、君の家に行く。準備しておけ」

2章 / 全10

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