小麦粉とバターの香りが染みついたエプロンを外しながら、ミナトは図書館の重い扉を押し開けた。 「お疲れ様、ミナトちゃん」 「あ、司書のキリエさん。お疲れ様です」 パティスリーでの勤務を終えた後、彼女が向かうのはいつもこの古びた図書館だ。料理のレシピ本を探すのが常だったが、今日は何故か奥の書架へと足が向く。埃を被った棚の最奥、赤茶けた革表紙の一冊が目に入った。『禁断の書』などとは書かれていない。だが、指先が触れた瞬間、ぞくりとした感電めいた衝撃が腕を駆け上がった。 「これ……」 手に取ると、表紙には何も記されていない。ただ、古びた紙の匂いと、微かな甘い香りが漂った。ミナトは周囲を見回し、誰もいないことを確認してからページをめくった。最初のページは白紙。二ページ目も、三ページ目も白紙だった。 「何これ、空欄ばっかり」 不審に思いながらページをめくり続けると、突然、まばゆい光が紙面から溢れ出した。 「えっ、ちょっ——」 目を焼くような輝きの中で、ミナトの脳裏に文字が直接浮かび上がる。『SEXテクニックMAX』——その文字が意識の奥底に焼き付けられた瞬間、熱が下半身から突き上げてきた。 「あ、あぁっ……!」 膝が震え、本を取り落としそうになる。太腿の奥が熱くなり、知らないはずの感覚が身体の芯を痺れさせた。 「なに、これ……変、おかしい……」 乳白色の肌が朱に染まり、呼吸が荒くなる。ミナトは本を胸に抱きしめ、その場にしゃがみ込んだ。身体の奥で何かが目覚めようとしている。恐ろしいほどの知識が、頭の中に溢れ出していく。 「うぅ……っ、熱ぃ……」 彼女の瞳孔が開き、唇が無意識に震えた。その瞬間、ミナトは知ったのだ——自分の中に眠っていた、抗えない何かが解き放たれたことを。
淫夢が彼女を蝕む
18+ NSFW小説ID: cmo10scgh000401laivn50dwr

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