やっぱり一人暮らしは気楽でいいな。和也は濡れた髪をタオルで拭きながら、狭いワンルームのベッドに身を投げ出した。学校から歩いて十分。築四十年のアパートは、湿気の匂いと安い家賃が取り柄だ。親元を離れて半年、気ままな独身生活に不満なんてない。週末は誰にも邪魔されず、好きなゲームをして、好きな時間に寝る。最高じゃないか。彼は天井の染みを眺めながら、深く息を吐いた。窓の外からは夕暮れの商店街の喧騒が微かに聞こえてくる。コンビニで買った弁当を食べるだけの寂しい夜。それでも、誰の目も気にしなくていい時間は、和也にとって何よりの贅沢だった。ピンポン。突然、インターホンが鳴り響いた。宅配便の時間じゃない。注文もしていない。無視しようか迷ったが、ピンポンピンポンピンポンと連打される音に、舌打ちしながら立ち上がった。 「はいはい、どなたで……」 「和也くーん! いるよねー!」 聞き覚えのある高い声。ドアの小窓から、栗色のポニーテールが揺れるのが見えた。アキ。クラスの人気者。明るくて、誰とでもすぐ仲良くなって、いつも教室の中心で笑っている女子だ。なぜ彼女がここに。 「え、なんでお前……」 「はい、おじゃましまーす!」 「おい、待てって!」 鍵を開けた瞬間、アキは強引にドアを押し開け、土足のまま部屋に踏み込んできた。スニーカーの泥がフローリングに残る。彼女はキョロキョロと部屋を見渡し、感心したように頷いた。 「へえ、意外と片付いてるね。和也くんの部屋って」 「勝手に入るなよ。つーか、どうやってここ知った」 「学校からずっと付いてった」 「はあ!?」 「バレないと思った? 携帯いじりながら歩いてたから気付かなかっただけでしょ」 アキは勝手に冷蔵庫を開け、中身を物色し始めた。和也は頭を抱えた。この部屋が秘密の城だった。誰も入れない、自分だけの聖域。それが今、踏み荒らされている。 「ねえ、これ飲んでいい? ジュースじゃん」 「ダメ」 「ケチ。あ、ベッドふかふかだ」 彼女はベッドに腰を下ろし、バウンドしてみせた。 「ちょっと、帰れよ」 「えー、せっかく来たのに。和也くんの一人暮らしって噂になってるよ。みんな興味津々」 「誰だよ、広めたの」 アキは悪戯っぽく笑った。 「私。ねえ、ここ溜まり場にしてもいい?」 「却下」 「明日はリサちゃんも連れてきよっと」 和也の平穏な日常が、音を立てて崩れ始めていた。
彼を玩具にする少女たち
18+ NSFW小説ID: cmo2rqf8y000401rzcerchn8i

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