エラベノベル堂

裏切りの異形の檻

18+ NSFW

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1章 / 全10

「不気味な噂がある図書館…か」 ミナは古びた図書館の前で立ち止まり、夜風に揺れる銀髪をかき上げた。街の夜景に溶け込む重厚な洋館は、昼間は閉鎖的な歴史資料館として機能している。だが、夜な夜な不審な光が漏れるという噂が、魔法少女としての彼女の警戒心を刺激していた。 「変身」 短く呟き、彼女の身体は淡い光に包まれる。瞬きする間に、白と碧を基調とした戦闘服がその肢体を包み込んだ。腰には愛剣『ルミエール』。その刀身は聖なる光を宿し、闇の眷属を浄化する力を持つ。閉館後の図書館に足を踏み入れると、古書の匂いと共に、肌寒い空気が漂っていた。月明かりがステンドグラス越しに差し込み、書架の間に不気味な影を落としている。 「……誰もいない?」 静寂。だが、彼女の本能は警告を発していた。何かが潜んでいる。呼吸を整え、剣の柄に手を添えて奥へと進む。最奥の閲覧室に差し掛かった時、テーブルの上に不自然なものが置かれているのを見つけた。古びた写真。そして、緑色の奇妙な遺物だった。 「これは……」 写真には、かつての街並みと、一人の青年が写っていた。なぜか、胸がざわめく。見覚えのないはずなのに、懐かしさが込み上げる。 「うっ!」 突然、背後から冷たい気配が迫った。振り返ると、そこには異形の存在が実体化しつつあった。ぬめるような質感を持つ触手が、闇の中から湧き出している。 「異世界の……モンスター!」 ルミエールを抜き放ち、ミナは斬撃を放つ。光の刃が触手を切り裂くが、切断面から新たな触手が再生し、さらに勢いよく伸びてきた。 「くっ、再生するのか!」 回避しようとした瞬間、床からも触手が伸び、彼女の足首を捉えた。粘液が戦闘服に触れると、じゅっと音を立てて布が溶解していく。 「いやっ、何これ!」 太い触手が次々と彼女の四肢を巻き付き、身体を宙に吊り上げた。必死に抵抗しようとするが、粘液の滑りで力が逃げていく。 「放して…!」 剣を握る手にも粘液が絡みつき、指の感覚が鈍くなっていく。ミナは恐怖と怒りを瞳に宿しながら、目の前で揺れる不気味な触手の群れを睨みつけた。

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