エラベノベル堂

闇を払い、君を抱く

18+ NSFW

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2章 / 全10

翌日、悠真は約束の時間より十五分ほど早く、新宿のカフェに到着した。窓際の席を選び、入り口を眺めながら待つ。十分後、顔を隠すようにマスクと帽子で身を固めた女性が入ってきた。目立たない服装だが、その姿勢の良さと雰囲気で悠真にはすぐに分かった。ルナだ。彼女は周囲を警戒しながら店内を見渡し、悠真と目が合うと小さく頷いて近づいてきた。 「佐藤悠真さん……ですよね?」 確認するように問いかける彼女の声は、緊張でわずかに震えていた。 「はい。座ってください」 彼女は向かいの席に腰を下ろし、深く息を吐いた。マスクを少しずらしてコーヒーを一口飲む。その顔は、写真で見るよりもずっと華奢で、同時に深い疲労を湛えていた。 「これ……」 悠真はテーブルの下でUSBメモリを差し出した。彼女はそれを受け取り、胸に手を当てて安堵のため息をもらした。 「ありがとうございます……本当に。この証拠がなければ、あいつにこれから何をされるか…」 「あの中身、全部見てしまったんです。ストーカー被害の記録と、あなたの個人情報」 彼女は悲しげに目を伏せた。 「ネットで活動していると、どうしても変な人は湧いてくるんです。でも、今回は違った。あいつはただのファンじゃない。私の住所を突き止めて、部屋の前まで来たこともあるんです」 彼女の声が震える。悠真は拳を握りしめた。 「警察には?」 「届けました。でも、証拠が足りないって……。捕まってもすぐに釈放されるだけだって言われて」 無力感が彼女の表情に影を落としていた。悠真は迷わず口を開いた。 「僕に協力させてください。あなたを守りたいんです」 彼女は驚いたように顔を上げた。 「……どうして、そこまでしてくれるんですか?」 悠真は真っ直ぐに彼女を見つめた。 「放っておけないからです。僕には、無実の人が傷つくのを見過ごすことなんてできません」 彼女の瞳が潤んだ。そして、小さく微笑んだ。 「……ありがとうございます。あなたがいてくれて、本当に良かった」 その瞬間、二人の間に見えない絆が結ばれたのを悠真は感じた。

2章 / 全10

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