エラベノベル堂

君という宝石へ

18+ NSFW

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4章 / 全10

翌朝、配達員の呼び鈴で目が覚めた。健二は薄暗い玄関へ向かい、差出人不明の封筒を受け取る。表書きには『里奈様』とだけ、丁寧な文字で書かれていた。 「里奈ちゃん、郵便だよ」 里奈が作業台から立ち上がり、まだ眠そうな目で封筒を受け取る。中身を取り出した瞬間、彼女の顔色が蒼白になった。手紙が床に落ちる。 「うそ……」 健二は慌てて手紙を拾い上げ、中身を確認した。印字された文字が並んでいる。『お前は俺のものだ。他の男に抱かれるなど許さない。コンペに出るなら、その代償を支払ってもらう』写真が数枚同封されていた。喫茶店の入り口。二階の窓。そして、昨夜、カーテンの隙間から映り込んだ二人のシルエット。 「見られてた……ずっと見られてた……」 里奈がその場に崩れ落ち、膝を抱えて震え始めた。 「いや、いやっ! もう終わらせてよ! お願い……」 パニックに陥った里奈が両手で顔を覆い、激しく泣き出す。健二は即座に彼女を抱きしめた。細い体が小刻みに震えている。 「大丈夫だ。俺がいる」 「健二くん……怖い、怖いよ……」 「志郎はもう手を出せない。この手紙、警察に提出する。ストーキングの証拠になる。お前を守る」 里奈の震えが少しずつ収まっていく。健二は彼女の顔を上げさせ、涙で濡れた頬を優しく拭った。 「里奈ちゃん、聞いてくれ。俺は絶対にお前を守る。昨夜、言ったよな。好きだって」 「うん……言ってくれた」 「だから、怯える必要はない。俺がそばにいる限り、誰もお前を傷つけさせない」 里奈の瞳に、安堵と信頼の色が浮かぶ。健二は彼女の顎に手を添え、ゆっくりと唇を重ねた。 「んっ……」 これは昨夜の激しさとは違う、優しく、誓いのような口づけだった。里奈が健二の胸に縋りつき、小さく呟く。 「健二くん……私、頑張る。一緒に戦う」 「ああ。コンペ、勝ち取ろう」 二人は固く抱き合い、新たな決意を胸に秘めた。志郎の影はまだ消えていない。だが、二人の絆は、その恐怖を乗り越えるだけの強さを持っていた。

4章 / 全10

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