エラベノベル堂

触手、乙女を包む

18+ NSFW

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2章 / 全10

廃棄エリアの地下深く、湿った空気が肌にまとわりつく。ユイは警戒しながら暗闇を進んでいた。石段は長く続いており、一段降りるごとに空気は重く、粘り気を増していく。 「空気が重い……まるで腐ってるみたい」 懐中電灯の光が、剥がれ落ちた壁を照らす。錆びたパイプから漏れる蒸気が、不気味な音を立てていた。遠くからは、何かが這いずり回るような音が聞こえる。 「これが『禁忌の間』への入り口……」 目の前には、禍々しい装飾が施された重厚な扉があった。警告文が貼られているが、すでに破り取られている。扉の隙間からは、淡いピンク色の光が漏れていた。 「モモ、中にいるのね」 ユイは意を決して扉を押し開けた。重い金属音が響き、扉がゆっくりと開いていく。錆びついた蝶番が悲鳴のような音を立てた。 「っ……! 何、この匂い……」 鼻腔をくすぐる甘くて生臭い香り。本能的な嫌悪感と、同時に奇妙な熱が体の奥に湧き上がる。胸の奥がざわつき、太腿の間がじんわりと熱くなるのを感じた。 「うぅ……頭がぼーっとする……」 広い空間に足を踏み入れた瞬間、ユイは息を呑んだ。巨大な円形の部屋には、無数のガラスカプセルが並び、その中には赤黒い液体が満たされている。 「これ、全部……?」 カプセルの横には『魔力素採取液』というラベル。日付とサンプル番号が記されていた。ユイは震える手で近くの端末を操作した。 「生体エネルギーの強制抽出……これって、まさか……」 画面には詳細な手順が記されていた。若い女性の生命力を、性的な刺激を通じて抽出する方法。効率的な採取のための体位や、被験者の抵抗を抑える拘束具の図面まである。 「嘘でしょ……組織が、こんなことを……」 ユイの背筋に冷たいものが走る。モモはこの真実に気づき、消されたのか。それとも、採取の対象として囚われているのか。 「いや、まだ諦めるわけにはいかない。モモは生きてるはずよ!」 その時だった。背後から湿った、ねばりつくような音が聞こえた。 「……何?」 振り返ると、闇の中で何かが蠢いている。ねっとりとした触手が、床の亀裂から壁へと這い回っていた。その数は一つや二つではない。 「触手……生物?」 触手はユイの存在に気づき、ゆっくりと、しかし確実に近づいてくる。半透明の紫色の肌を持ち、先端からは粘液が滴り落ちていた。 「これが魔力素を採取するための装置……いや、生き物なの?」 ユイは瞬時に戦闘態勢をとった。紫の魔力が両手に集まり、光の粒子となって漂う。 「モモを見つけるまで、絶対に負けられない!」 触手が一斉に襲いかかろうとしたその瞬間、ユイは両手を掲げた。足元に光の魔法陣が展開され、紫の輝きが部屋全体を照らし出す。 「来なさい! 紫炎の矢!」

2章 / 全10

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