エラベノベル堂

支配を超えた未来へ

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10章 / 全10

発表会当日、大学のホールには観客が詰めかけていた。しかし、蓮の作品も茜のバンドの出演も、予定時刻を過ぎても始まらなかった。審査員席に座る椎名が苛立ちを隠さない。彼の視線が会場の入り口を執拗に狙っていたからだ。二人は来なかった。椎名の支配は、最初から無意味だったのである。その頃、蓮は愛用のバイクを走らせていた。茜が後ろにしがみつき、風が二人を包む。キャンパスを一瞥もせず、彼らは都市の境界線を目指していた。 「蓮、どこへ行くの」 と茜が風に負けない声で叫ぶ。 「どこでもいい。お前が歌える場所なら」 蓮の返答に、彼女は強く彼の腰に腕を回した。 「馬鹿ね。でも、好きよ、そういうところ」 バイクが海沿いの道に出ると、茜が 「止めて」 と合図した。エンジンを切ると、波音だけが響く。茜がヘルメットを外し、風に乱れた髪をかき上げた。 「ねえ、抱いて。ここで」 その瞳には、恐怖も不安もなかった。あるのは、自由と欲望だけ。蓮は彼女をバイクのタンクに座らせ、唇を塞いだ。夕日が二人を照らす中、服を脱ぎ捨てる。蓮の指が茜の秘所を愛撫すると、彼女は甘い声を漏らし、蜜が溢れ出した。 「ああっ……んっ……蓮、お願い」 彼女が自ら足を開き、誘う。蓮は自身を彼女の奥へと沈めた。熱い襞が彼を包み込み、茜が背をのけぞらせる。 「んんっ……!あっ、ああっ!」 波音と二人の吐息が混じり合う。蓮が腰を打ち付けると、茜の内部が彼をきつく締め付け、互いの熱が高まっていく。 「茜、好きだ。俺たちは自由だ」 その言葉に、茜が涙を流しながら笑った。 「私も……愛してる。もう、誰のものでもない」 二人は同時に絶頂を迎え、白濁した液体が彼女の奥へと注がれた。果てた後、茜が蓮の肩に顔を埋める。 「ねえ、知ってる。海の向こうに、小さな島があるんだって。アーティストが集まる場所」 蓮は彼女の髪を撫でた。 「そこへ行こう」 彼らは新たな道を選んだ。コンテストの栄光も、椎名の支配も、もう二人を縛らない。バイクが再び走り出し、自由の風が二人を包んだ。数日後、椎名の不正が告発され、彼は審査員を解任された。しかし、その頃二人はもう、新しい場所で創作と愛を謳歌していたのである。

検閲済みプロット

美術大学生の蓮とバンドボーカルの茜は、大学のグラント獲得を巡りライバル関係にある。茜の元マネージャー椎名は彼女に執着し、二人の邪魔をする。蓮は茜を救い出し、激しい情事を経て、二人はコンテストの枠を飛び越えて自由を選ぶ。

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