エラベノベル堂

毒の華

18+ NSFW

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2章 / 全10

朝露に濡れた草いきれの中、直樹は莉音の温もりを抱きしめながら目覚めた。小屋の隙間から差し込む薄明かりが、彼女の寝顔を柔らかく照らしている。 「ん……直樹」 莉音がまどろみの中で彼の名を呟き、無防備に身を寄せてくる。その愛おしさに胸が満たされた、その時だった。 「うわぁぁぁっ!」 外から悲鳴が上がり、直樹は跳ね起きた。莉音も恐怖に目を見開く。 「何? 何が起きたの?」 「わからない、ここにいろ」 直樹は褌を締め直し、外へ飛び出した。村は炎と悲鳴に包まれていた。見知らぬ男たちが松明を掲げ、家々から略奪を繰り返している。 「異部族だ……!」 直樹は小屋へ駆け戻り、莉音の手を引いた。 「逃げるぞ、裏から森へ行ける」 「うん」 二人は小屋の裏口から走り出した。しかし、運悪く数人の男たちと鉢合わせる。 「おっと、逃げようったってそうはいかねぇよ」 筋肉質の大男が立ちふさがり、その背後には同様に野蛮な風体の男たちが続いた。 「莉音、後ろだ」 直樹は彼女を背に隠し、男たちを睨みつけた。だが、薬剤師の知識はあっても武術の心得はない。 「おい、そこの女、いい体してるじゃねぇか」 男の一人が下卑た笑いを浮かべ、莉音へと手を伸ばした。 「触るな!」 直樹は男の腕を掴もうとしたが、あっけなく振り払われ、地面に叩きつけられた。 「ぐっ……!」 「直樹!」 莉音が悲鳴を上げるが、別の男に両腕を掴まれた。 「離して! 離してよ!」 「暴れるな」 男たちは粘つく視線で莉音を舐め回し、着物に手をかけた。 「やめろ! 彼女には手を出すな!」 直樹は必死に立ち上がろうとしたが、足で背中を踏みつけられ、泥に顔を押し付けられた。 「お前は後でゆっくり可愛がってやる」 着物が裂かれる音が響き、莉音の白い肌が露わになる。 「いやっ、いやぁ……直樹、助けて!」 男たちの下品な笑い声が響き渡る。 「いい腰をしてる。首領様も気に入るだろうよ」 「持ち帰るぞ」 男の合図で、莉音は乱暴に引きずり立てられた。 「直樹、直樹ぉ……!」 莉音の悲痛な叫びが遠ざかっていく。直樹は泥にまみれたまま、涙で滲んだ目で彼女の連行される姿を見送ることしかできなかった。 「必ず……必ず助け出す」 拳を握りしめ、直樹は誓った。

2章 / 全10

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