エラベノベル堂

宿霊の凪

18+ NSFW

小説ID: cmok39idz04cv01qgdn7lz3ls

10章 / 全10

朝日がカーテンの隙間から差し込み、薄暗い部屋を照らし出した。凪はベッドの上でぼんやりと天井を見上げていた。体中に白濁した霊液が飛び散り、シーツには染みが広がっている。昨晚の記憶が、熱を持ったまぼろしのように蘇る。 「んっ……」 動かすと節々が軋み、腰から下が痺れたようになっていた。浴室へ向かい、熱いシャワーを浴びる。粘液が肌を滑り落ち、排水溝へと消えていく。鏡に映る自分の顔は、どこか艶めいて、以前と変わって見えた。 「これからも、来るんでしょうね」 体内の輝に問いかける。『ああ。お前は依り代となった。救いを求める霊たちが集まるだろう』 「わかってる」 凪は鏡の中の自分に向かって小さく微笑んだ。身支度を済ませ、キッチンへ向かう。トーストを焼き、コーヒーを淹れる。日常の風景。何も変わっていないようで、全てが違って見えた。ドアが開く音がして、奏人がリビングへと入ってきた。 「おはよう、凪。今日は休日出勤なんだ」 彼はいつもと変わらない笑顔で言った。凪はコーヒーを差し出しながら、夫の顔を見つめた。 「うん、いってらっしゃい」 奏人は不意に凪の頬に手を伸ばした。 「何か……変わったな」 彼はそう呟き、不思議そうに首を傾げた。 「気のせいじゃない?」 凪は笑って誤魔化した。 「そうかもな」 奏人は笑い、ドアへと向かった。その背中を見送りながら、凪は胸の奥で何かが疼くのを感じた。『彼は何も気づいていないのか?』輝の声が響く。 「気づかなくていいの。これは私とあなたたちの秘密だから」 ドアが閉まり、日常の音が戻ってくる。凪は窓辺に立ち、外の世界を眺めた。通りの向こう、電柱の陰、建物の屋上——無数の影が彼女を見つめていた。 「見えてるよ。待ってて」 彼女は小さく呟いた。その時、下腹部に熱いうずきが走った。『お前の中に、種が残っている』輝の声が低く響く。 「種?」 「救われなかった霊たちの、最期の欠片だ。いずれ芽吹く』凪は自分の下腹部に手を当てた。温かい。まるで、新しい命が宿ったかのような。 「……私、お母さんになるの?」 『それはお前次第だ。霊の子か、それとも人間の子か』凪は窓ガラスに映る自分の姿を見た。屈託のない笑みが浮かんでいる。日常と非日常の狭間。彼女はその境界線に立ち、二つの世界を生きていくことを選んだ。 「どっちでもいいや。私が産むんだもん、私の子だよ」 朝光の中、彼女は新たな運命を静かに受け入れた。

検閲済みプロット

好奇心旺盛だが臆病な新妻・凪は、終電での出来事がきっかけで強力な守護霊・輝を宿す体となる。日常には未練を抱く幽霊たちが現れ、凪の温かい肉体を求めて執着し始める。旦那が仕事に出かけた日中、彼らは凪のパンツやローションを媒体にして実体化し、彼女を襲う。凪は最初は恐怖するが、次第に彼らの救われたいという悲痛な想いに触れ、慈悲の心を持つようになる。実は予知能力者である父が陰から見守っていたことも判明し、凪は異界の存在を受け入れる決意をする。ラストは彼女の体が精液状の霊液で満たされ、現世との狭間で生きるビタースイートな結末を迎える。

10章 / 全10

TOPへ