エラベノベル堂

聖夜の訪問者

18+ NSFW

小説ID: cmoz7wh8l000001oe3as0jb8v

1章 / 全10

クリスマスイブの夜、裕太はマフラーを巻き直しながら街を歩いていた。空からはちらほらと雪が舞い降り、街灯に照らされてキラキラと輝いている。 「あーあ、今年も一人かよ」 呟きながら、カップルで溢れる街並みを眺める。どこからかクリスマスソングが流れ、恋人たちが楽しそうに笑い合っている。女性が男性の腕に自分の腕を絡め、男性がその手を優しく握り返す。そんな光景が至る所で繰り広げられていた。 「裕太、お前もいい加減彼女作れよな」 友人の言葉が脳裏をよぎる。わかっている。でも、簡単にできることじゃない。コンビニで買い物を済ませ、アパートへの道を歩く。雪は少しずつ強くなっているようだった。 「寒いな……早く帰って温まろう」 アパートに到着し、鍵を開ける。一人暮らしのワンルーム。今日は特別な日だけど、いつもと変わらない夜が待っているだけだ。 「さてと、適当に済ませるか」 電気をつけ、暖房を入れる。コンビニで買ったおにぎりと缶ビールをテーブルに置く。テレビをつければ、クリスマス特番が流れているはずだ。窓に近づき、外の様子を確認する。雪が本格的に降り始め、地面が白く染まり始めていた。 「積もるかな……明日の朝、一面真っ白かもな」 静かな夜。クリスマスイブの孤独を噛みしめながら、裕太はいつもの日常に戻ろうとしていた。でも、この夜がただの孤独な夜で終わらないことを、彼はまだ知らない。

1章 / 全10

TOPへ