エラベノベル堂

湯上がり勘違い夜話

18+ NSFW

小説ID: cmpam51ef006q01rttcr8ww2p

10章 / 全10

朝の光が畳の目を照らし、千秋は薄目を開けた。隣の布団では颯人が気持ちよさそうに寝息を立てている。だいたいいつも通り。でも、千秋の身体には昨夜の記憶が焼き付いて離れなかった。 「おはよう……」 颯人がむずかるように目を擦り、千秋はびくりと肩を震わせた。 「おはよう。頭痛い……」 なんとか平静を装い、千秋は布団から抜け出した。身体のだるさと、太ももの内側に残る違和感。シャワーを浴びて綺麗にしたはずなのに、感覚だけは消えない。廊下を渡って食事処へ向かう。柚心と結斗はすでに席についていた。 「おはよー! 二日酔い? 私最悪」 柚心が大袈裟に頭を抱える。千秋は視線を落としたまま、向かいの席に座った。 「私も……何も覚えてないくらい飲んじゃった」 嘘じゃない。本当のことは何も覚えていないふりをすることに決めた。結斗の姿が視界の端に入る。彼は何食わぬ顔で茶碗を手にしている。千秋は必死に彼を見ないようにした。食事が進む。旅館自慢の朝食が並ぶが、喉を通らない。颯人と結斗は昨夜の話で盛り上がり、柚心もそれに加わる。千秋だけが、一人だけが、違う世界にいるような感覚だった。ふと、顔を上げた瞬間だった。結斗と目が合った。彼の目が細められ、口元が小さく上がる。悪戯っぽい、共犯者だけがわかる笑み。千秋の心臓が跳ねた。彼は何も言わない。でも、その視線は雄弁だった。昨夜のことは、二人だけの秘密。彼氏たちには何も知られていない。その事実が、千秋の胸に奇妙な熱をともした。 「千秋、どうしたの? 顔赤いよ」 柚心が心配そうに覗き込む。 「……何でもない。ちょっと暑くて」 千秋天は茶碗で口元を隠した。罪悪感と背徳感。でも、その奥には、抗えない期待が芽生えていた。今後、二人の関係はどう変わるのか。不安と、そして密かな興奮。食事を終え、千秋は窓の外を眺めた。青い空が広がっている。何も変わらない日常のように見える。でも、確実に何かが変わってしまった。結斗の視線を感じながら、千秋は密かに胸の高鳴りを押し殺した。

検閲済みプロット

仲良しカップルの千秋と颯人、柚心と結斗の二組が温泉旅行に訪れる。深夜、泥酔して就寝中、千秋は後ろから愛撫され、暗闇の中で彼氏の颯人だと信じて挿入を受け入れる。しかし、行為の最中に相手が結斗であることに気づく。最初は戸惑うが、状況と快感に抗えずそのまま行為に及び、背徳的な一夜を過ごすコメディタッチの官能譚。

10章 / 全10

TOPへ