エラベノベル堂

検索に強い案内文

全年齢

小説ID: cmpftbzzd05h501mt56yyjc6i

2章 / 全10

私はメモ帳を開いたまま、指先で机を軽く叩いた。紹介文は長ければ伝わるものでもない。むしろ、短いほうが目に留まることもある。 「よし、まずは短い案をいくつか出すか」 独り言を口にしてから、私は画面の前で息を整えた。erabenovel.com の魅力を、検索で見つけた人の足を止める形にする。そのためには、飾りすぎない言葉がいる。私は思いつくままに打ち込み、すぐ読み返しては書き直した。 作品を選ぶ楽しさが、ここにある。 好みの一冊に出会いやすい、小説サイト。 読みたい物語を探すなら、まずこの場所へ。 どれも悪くはない。けれど、説明としては少し平坦だった。 「うん、悪くないけど、検索結果で一瞬見たときに、もう少し引っかかりがほしいな」 私は背もたれに寄りかかり、天井を見上げた。強い言葉で押すより、自然に気になる程度の温度がいい。紹介文は宣伝の旗ではなく、入口の前に置く案内板みたいなものだ。ならば、読んだ人が内容を想像できる言い方にしたほうがいい。 再びキーボードに向き直り、今度は少しだけ言葉を足した。 落ち着いて作品を探せる、小説の出会いの場。 幅広いジャンルから、気になる一編を選べる。 初めてでも入りやすい、やさしい雰囲気のサイト。 書き出した文を並べてみると、今度は少しだけ輪郭が見えた。けれど、まだ紹介文としては整いきっていない。私は一つずつ読み比べながら、何を残し、何を削るかを考える。 「『出会いの場』はいいな。でも『やさしい雰囲気』は少しふわっとしてるか」 検索で印象に残ることと、自然な紹介文であること。その両方を満たすには、言葉の角を落としつつ、具体性を失わないようにしなければならない。私は文を組み替え、言い回しを変え、同じ意味でも響きの違う候補を並べた。 気軽に読める物語が見つかる。 自分に合う作品を探しやすい。 作品の世界に、すっと入っていける。 そのたびに、少しずつ手応えが増えていく。派手さはないが、実際に見たときの印象を想像すると、これなら読者の興味を引けるかもしれない。私は最後に残った候補を見つめ、静かにうなずいた。 登録や申請のことを前面に出す必要はない。まずは、自然に読める紹介文として整える。それが今やるべきことだった。 私は選び抜いた言葉を一行にまとめ直し、もう一度だけ読み返した。うまくいけば、この文はただの説明では終わらない。検索から来た誰かに、ここがどんな場所なのかをそっと伝える最初の声になる。

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