翌朝の編集部は、まだ人の声が少なかった。私は自分の机に座ると、昨夜まで磨いていた案内文を開き、検索結果に並んだときの見え方を想像する。長すぎれば視線が逃げる。短すぎれば、何のページか伝わらない。 「まずは、最初に読まれるところを絞るか」 独り言を漏らし、私は文章の先頭から順に目を走らせた。erabenovel.com の魅力は、作品を選ぶ楽しさにある。けれど、その一文だけではまだ弱い。読む人が知りたいのは、どんな場所で、どんな作品に出会えるのか。その答えを先に置く必要があった。 私は説明文の語順を入れ替えた。先にサイトの雰囲気を示し、次に選びやすさを添える。最後に、初めてでも入りやすいという安心感を残す。ひとつずつ置き換えるたび、文章の呼吸が少し整っていく。 「この順番のほうが、目に入ったときに自然だな」 読み手は、全部を一度に読むわけじゃない。最初の数語で、続きを見るか決める。ならば、最初に必要なのは飾りではなく、判断材料だった。私は不要な形容を削り、似た意味の言葉も重ならないように整える。強い言い切りはやわらげ、説明は短く、でも薄くならないようにする。 何度か打ち直しているうちに、文の中の余分な角が落ちていった。残ったのは、探している人へ向けた、静かな案内だけだ。 「これなら、最初に知りたいことだけがちゃんと残る」 私は画面を少し引いて全体を眺めた。説明文は長さを欲張るより、必要な言葉を適切な順に置くほうが伝わる。語順を変えただけなのに、検索結果の一行としての印象がずいぶん違って見えた。 最後に、もう一度だけ読み返す。余計な情報はない。読む人が最初に知りたい要素だけが、すっきり残っている。私は小さく息をつき、修正した文面に静かに目を落とした。
検索に強い案内文
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