メインストリートは人々でごった返していた。提灯の明かりが橙色に輝き、屋台から立ち上る湯気が祭りの熱気をさらに高めている。隼太は結衣とはぐれないよう、自然と距離を縮めて歩いた。 「わあ、すごい人だね」 結衣が目を輝かせながら言う。その肩が触れそうな距離に、隼太は心臓の鼓動が早くなるのを感じた。 「何から食べる?」 「うーん、まずは焼きそば!それからたこ焼きと……」 結衣は指折り数えながら、楽しそうに笑った。二人はまず焼きそばの屋台へ並び、鉄板の上で踊る麺の香ばしい匂いを吸い込んだ。 「はい、お待ちどうさん」 店主に渡された紙皿を受け取り、並んで歩きながら食べる。結衣が箸で麺を持ち上げ、小さく口を開けて食べる姿が妙に色っぽくて、隼太は思わず視線を逸らした。 「隼太くん、こっち!金魚すくいやってるよ」 結衣が袖を引いて、ゲームの屋台へと引っ張っていく。彼女の無邪気な笑顔が、提灯の光に照らされてキラキラと輝いていた。 「やる?」 結衣が小首をかしげて聞いてくる。その仕草が可愛らしくて、隼太は頷いた。 「お、やるねえ」 ポイに穴を開けず、すくった金魚をボウルに入れていく結衣。 「隼太くんよりたくさんすくえたかも」 「負けないよ」 二人で顔を見合わせて笑った。その時、結衣の顔が少しひきつったように見えた。 「大丈夫?」 「うん、ちょっと下駄に慣れなくて……」 結衣は右足を気にするように、歩くペースを落としていた。普段はスニーカーばかり履いている彼女にとって、下駄は珍しいものだ。 「無理しないで」 「大丈夫だよ、もっと見たいところあるし」 結衣は無理に笑って見せたが、歩くたびに足元が少し不安定になっているのが分かった。隼太は結衣のペースに合わせて、ゆっくりと歩調を緩めた。彼女が痛がらないよう、人混みを避けて進んでいく。祭りの喧騒の中で、結衣の小さなため息が聞こえた。
神様の告白
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