エラベノベル堂

共感覚クリニック

18+ NSFW

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1章 / 全10

真夏の陽射しがトラックを焼きつける中、陽菜は歯を食いしばって最後のスパートをかけた。汗が頬を伝い、呼吸が荒くなる。 「あと一周……!」 自分に言い聞かせながら加速する。陸上部のエースとして期待される彼女にとって、この夏合宿は誰よりも結果を残さなければならない舞台だった。しかしその瞬間、右膝に鋭い痛みが走った。 「っ……!」 バランスを崩し、そのままグラウンドに倒れ込む。痛みが電気のように足全体を駆け巡り、陽菜は膝を抱えてうずくまった。 「陽菜!」 チームメイトの美咲が駆け寄ってくる。 「大丈夫? どこか痛いの?」 「膝……何かが挟まったみたいに痛いの」 コーチも駆けつけ、すぐに氷を当てて応急処置をした。 「腫れてるな。病院に行ったほうがいい」 「いや、まだ練習できる」 と陽菜は言い張ったが、立ち上がろうとするだけで激痛が走り、顔を歪めた。 「無理するなよ。ここで無理して悪化させたら、シーズン終了だぞ」 結局、練習は中止となり、陽菜は部室で氷枕を当てながら悩んでいた。救急車を呼ぶほどではない。でも、放っておけない痛みだ。 「整体に行ってみようかな」 美咲が提案する。 「近くに評判いい整体があるって聞いたことあるよ」 「うーん……でも、やっぱり整形外科のほうが確実かな」 陽菜はスマホで検索を始めた。近くの整形外科の口コミを見るが、どこも時間がかかるという評価ばかり。そんな中、一つの医院が目に留まった。 「スポーツ整形外科……選手専門の診療をしてるみたい」 口コミには 「的確な診断」 「最新設備」 といった言葉が並んでいる。 「ここにしてみよう」 陽菜は予約ボタンを押した。膝の違和感は消えない。でも、早く治してまたトラックに戻りたい。その一心だった。

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