エラベノベル堂

異世界ドリンク

18+ NSFW

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1章 / 全10

夕陽が宿の窓から差し込み、木造のロビーを琥珀色に染めていた。マユは革のブーツで床を踏みしめながらカウンターへ歩み寄る。女子高の制服をベースに作られた白と紺の鎧が、歩くたびに微かな金属音を立てた。 「モンスター退治、完了しました」 彼女は胸を張り、報告書をカウンターに置く。 「ご依頼のオーク三体、問題なく討伐済みです」 宿の女将は恰幅の良い女性で、細めた目をさらに細めて微笑んだ。 「まあ、ありがとうございます。噂通りのお美しさでいらっしゃる」 女将は手際よく報告書に目を通し、満足げに頷く。 「お礼を用意しておりますよ。特別ドリンクです」 カウンターの奥から、淡いピンク色の液体が入ったグラスが運ばれてきた。氷が涼しげな音を立てる。 「この地方でしか採れない果実を使ったものでしてね。滋養強壮にも効果がございます」 「滋養強壮、ですか」 マユは眉をひそめた。 「勇者として活動する上で、体力維持は重要ですからね」 女将は甲斐甲斐しくグラスを押し付けてくる。 「さあ、お飲みになってください。どうぞ」 マユは一瞬ためらったが、女将が純粋な目で見つめてくるので礼儀として受け取った。グラスの冷たさが掌に伝わる。 「いただきます」 彼女は勇者の威厳を保ちつつ、一口、二口と喉に流し込んだ。甘酸っぱい香りが鼻腔を満たす。 「……美味しいですね」 素直な感想が口をついて出た。女将は満足そうに頷いている。マユはグラスを空にし、カウンターに置いた。 「ご馳走様でした」 彼女は踵を返そうとして、足元がふらついた。 「……?」 膝に力が入らない。熱が腹の底から湧き上がってくる感覚。 「おや、どうなさいました」 女将の声が遠く聞こえる。マユは自身の身体に異変が起きていることを感じ取り、眉をひそめた。

1章 / 全10

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