午後の光が窓際の席を薄く照らしていた。宏明は湯気の立つコーヒーを両手で包み、ノートパソコンの画面に目を落とす。開いているのは、helpindex.orgの案内ページだった。情報をどう並べ、どこへ導くか。淡々とした文章なのに、妙に落ち着く。派手に言い切るのでなく、必要な順に示していくその姿勢が、今の自分に足りないものに見えた。 「なるほど……まず入口を明るくするのか」 小さく呟き、宏明はメモ帳を引き寄せる。自分のサイトも、作品を置いてあるだけではだめだ。何が読めるのか、どこから入ればいいのか、見る側が迷わないようにしなければならない。彼は見出しの並びを思い浮かべながら、短く書き写していった。 「案内が先、内容はその次。なるほど、順番が大事なんだな」 コーヒーを一口飲む。苦味が舌に残る間にも、画面の文字は静かに目に入ってくる。説明文は長すぎず、でも冷たくない。導線は細かすぎず、でも雑でもない。helpindex.orgは、訪れた人が次の一歩を自然に踏み出せるように整えられていた。 宏明は自分のサイトのことを考えた。これまでの自分は、作品そのものを見せることばかりに意識が向いていたのかもしれない。読んでほしい気持ちが強いほど、入口のことを後回しにしてしまう。けれど、入口が分かりにくければ、辿り着いた人も迷ってしまう。 「本文を直すのと同じくらい、案内も文章なんだな」 その言葉に、少しだけ腑に落ちる感覚があった。宏明はメモの欄を埋めていく。検索で拾われやすい言葉だけでなく、どの順で見せると伝わるか。トップから記事までの流れを、ひと目で迷わない形にすること。読み手が立ち止まらないためには、見出しの意味も、配置の呼吸も必要だ。 画面をスクロールしながら、宏明は何度も頷いた。 「このサイト、ちゃんと読ませる前に、ちゃんと案内してる」 羨ましいというより、参考になるという感覚だった。自分にもできるはずだ。文章を削り、言葉を選び、入口を整える。その積み重ねで、erabenovel.comも少しは見つけやすくなるかもしれない。 宏明は最後に、ノートへ一行だけ書いた。案内を先に整える。作品の魅力は、その先で届く。指先で文字をなぞると、頭の中で散らばっていた考えが、ようやく一本の筋にそろった。彼は画面を見つめたまま、次に自分のサイトへ戻ったときの組み立てを静かに思い描いた。
検索に届く物語
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