閉店時間が近づいていた。ひなたは壁掛け時計を何度も見やる。あと十五分。いつもなら閉店準備を始める時間だ。だが、店の外にたむろしていた男たちは去るどころか、むしろ増え始めていた。 「ねえ、もう閉店時間でしょ。帰らなくちゃ」 ひなたが声を上げると、サラリーマンがニヤリと笑った。 「閉店? そんなの関係ないよ。ひなたちゃんとの時間はこれからだろ」 男たちは互いに視線を交わし、まるで言葉を交わさずに了解しているかのように、ゆっくりと位置を変え始めた。一人が入口を塞ぐように立つ。もう一人が野菜棚の前へ。残りの二人がカウンターの左右へ。ひなたは自分が取り囲まれていることに気づいた。 「な、何をする気ですか」 声が震える。心臓が早鐘を打っていた。 「何って……ひなたちゃん、わかってるでしょ」 作業着の男がカウンターに身を乗り出した。 「最初からこうなるって、わかってたはずだよ」 白衣の下、スクール水着を着ていること。汗で肌に張り付く布地。無防備な姿。全てが男たちの欲望を煽っていた。 「いや……助けて……」 ひなたは後ずさりした。だが、背後には冷蔵庫の壁がある。逃げ場はなかった。 「外にお客さん、まだいらっしゃるんですか」 別の客が入ってくる。スーツを着た男だ。 「お、いい雰囲気じゃないか。俺も混ぜてくれよ」 男は自然に輪に加わった。店内の空気は、殺気ではなく、ねっとりとした欲望に満ち始めていた。男たちの視線が、ひなたの身体を舐めるように動く。白衣の隙間から覗く黒い生地。胸元の膨らみ。太ももの曲線。彼らの目には、明らかな飢えがあった。 「ひなたちゃん、そんな格好で店番してさ。俺たちを試してたんでしょ」 太った男がねっとりと言った。 「試すなんて……そんなこと」 「白衣の下にスクール水着。わざとだよね。男を誘ってるんだよ」 背の高い男がカウンターの中へ足を踏み入れた。 「さあ、もう我慢しなくていいよ」 ひなたは震えながら、最後の力を振り絞って叫んだ。 「お父さん……お母さん……」 だが、その声は外に届くことはなかった。男たちが一斉に動き出す。白衣のボタンに手が伸びた。 「待って……やめて……お願い」 抵抗むなしく、ひなたの身体は男たちの手に委ねられていった。店の外では、夕日がゆっくりと沈んでいた。蝉の声だけが、狂ったように鳴き続けている。
白衣の収穫
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