エラベノベル堂

生贄女王

18+ NSFW

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5章 / 全10

「さあ、行きましょう。皆様がお待ちかねです」 澪の手が美咲の背中を押す。ゴスロリ衣装の重たいスカートが擦れ合い、沙々と乾いた音を立てた。廊下の突き当たりにある両開きの扉が、まるで巨大な獣の口のように開いている。 美咲は深く息を吸い込んだ。黒いレースが胸元を締め上げ、呼吸を浅くしている。 「……本当に、これをするの?」 「疑問はもうありませんね。あなたの瞳が答えている」 澪の唇が歪む。その視線は、美咲の露わになった鎖骨から白い肩へと滑り落ちていた。 扉が開かれる。広間には蝋燭の光が揺らめき、甘い線香の匂いが充満していた。円形の空間、中央には赤い絨毯が敷かれ、その周囲を十二の仮面が取り囲んでいる。動物や怪物、無表情な能面——全ての仮面の奥からねっとりとした視線が突き刺さる。 「ようこそ、聖処女よ」 低い声が響く。仮面の男たちが一斉に立ち上がった。上質なタキシード、絹のローブ、彼らが身に纏う服は全て一級品だ。上流階級の男たち——社会的な地位も名誉もあるはずの彼らが、ここで何を求めているのか。 『やっと会えた。予言書の救世主』 誰かの思考が流れ込んでくる。美咲は能力を遮断しようとしたが、澪の瞳に見つめられ、抗うことができない。 「予言書を読み上げろ」 澪が命じる。一人の男が恭しく黒革の書物を開いた。 『聖処女の蜜は男を神へと昇華させる。彼女が受け入れる時、感覚は十倍に増幅され、悦びは永遠となる』 美咲の体が強張る。感覚を十倍——自分の能力が、そのまま欲望の道具になることを意味していた。 「横たわってください。儀式を始めます」 中央に設置された赤い天蓋付きのベッド。美咲は震える足で歩み寄り、深紅のシーツの上に腰を下ろした。冷たい空気が太ももの内側を撫でる。 「怖がらなくていい。あなたは選ばれたのですから」 仮面の男の一人が近づいてくる。白い手袋をした指先が、美咲の顎を持った。 『肌が透き通るほど白い。傷一つない。これを穢すことが許されるのか』 男の思考が粘度を増して流れ込んでくる。美咲は目を閉じた。恐怖と、それ以上に強烈な期待が体の芯を熱くする。 「……私の能力、使うのね」 美咲が呟くと、澪が満足げに頷いた。 「その通り。あなたが感じる悦びを、我々全員で分かち合うのです」 男の手がドレスの肩紐を滑り落とす。黒いレースが音もなくずり落ち、白い肌が露わになった。 美咲の能力が発動する。男の欲望、澪の支配欲、周囲に渦巻く視線——全てが肌を通して押し寄せ、体の奥底で熱く脈打ち始めた。 「あっ……」 唇から甘い吐息が漏れる。能力が感度を跳ね上げ、指先が触れただけで電流のような快感が走る。 『聖処女の蜜、我らに与えよ』 男たちが一斉に近づいてくる。美咲は天井を見上げた。シャンデリアの光が涙で滲み、美しく歪んでいく。 もう逃げられない。いや——逃げたくなどなかった。

5章 / 全10

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