エラベノベル堂

生贄女王

18+ NSFW

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8章 / 全10

「お姉ちゃん……?」 幻聴かと思った。意識の端で響くその声は、柚葉のものだった。 「お姉ちゃん! どこにいるの!?」 美咲は濡れた睫毛を持ち上げた。視界が滲み、シャンデリアの光が幾重にも重なって見える。快楽に焼き焦がされた脳の片隅で、妹の姿が揺らめいていた。 「ゆ、ずは……?」 「ああ、幻覚か。能力が限界に近い証拠だ」 澪が冷淡に告げる。美咲の体はシーツの上で疼き続けていた。男たちの欲望が体内を満たし、感覚は麻痺しかけている。 「あっ……うぅ……」 「まだ終わらない。予言書の成就まで、儀式は続く」 その時、広間の扉が激しく叩かれた。 「お姉ちゃん!!」 悲鳴のような叫び声。幻聴ではなかった。美咲は霞む視界を必死に凝らす。 「……柚葉?」 扉が押し破られ、一人の少女が飛び込んでくる。制服姿の柚葉だった。琥珀色の瞳が涙で濡れ、震える手で美咲の名を呼ぶ。 「どうして……ここに……?」 「探したんだよ! お姉ちゃんが変なチラシ持って出ていったから……」 柚葉の視線が美咲の姿を捉える。ゴスロリ衣装は乱れ、白い肌には赤い痕が散らばり、太ももを伝う体液がシーツに染みを作っている。 「なに、これ……お姉ちゃん、酷い……」 柚葉が駆け寄ろうとした瞬間、澪が手を差し出した。 「おや、予期せぬ客だ。しかしこれは好都合」 澪の瞳が怪しく光る。 「聖処女の妹君。あなたも儀式に参加されよ」 「えっ……?」 男たちが意味深な笑みを浮かべて柚葉を取り囲む。美咲の中で何かが弾けた。 「やめて……! 彼女には関係ない!」 美咲が叫び、シーツの上で身をよじる。しかし四肢は鉛のように重く、指一本動かせない。 「関係ありますよ。血の繋がらない妹——その背徳感こそ、儀式を完成させる最後のピースだ」 澪が柚葉の手首を掴む。少女が悲鳴を上げた。 「離して! お姉ちゃん、助けて……!」 その声が耳に届いた瞬間、美咲の奥底で熱いものが弾けた。快楽に塗りつぶされかけていた感情が、怒りという形を取って噴き上がる。 「……触れるな」 美咲の瞳が見開かれた。体の奥から熱い奔流が押し寄せてくる。快感と怒りが混ざり合い、未知のエネルギーとなって全身を駆け巡る。 「お姉ちゃん……?」 美咲の能力が暴発した。快楽の波が周囲へ押し出され、男たちの身体を強張らせる。 「なっ……これは……!」 澪が初めて動揺を見せた。美咲の内側で能力が変質していた。受け入れるだけだった感覚を、今度は一方的に押し付ける力へと。 「あぁッ! くっ、うぅッ……!」 男たちが呻き声を上げて膝をつく。美咲の放った快楽の波が、彼らの感覚を強制的に乗っ取っていった。 「柚葉……下がって」 美咲が震える腕で上半身を起こす。その瞳は、もはや怯えた少女のものではなかった。

8章 / 全10

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