エラベノベル堂

堕落の宴

18+ NSFW

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2章 / 全10

「儀式……? 何を言っているのかわかりません、黒木先生」 ユミは震える声で答えた。生徒指導室の窓から差し込む夕陽が、黒木の影を長く伸ばしている。 「単刀直入に言いましょう。世界は今、滅びの危機にある。あと三ヶ月で、人類は破滅する」 「……は?」 「信じられないのは無理もない。だが、あなたの予知能力なら視えるはずだ」 黒木は引き出しから一枚の写真を取り出した。何も写っていない白黒の紙だ。 「これを見てください」 ユミが写真に目を落とした瞬間、脳裏に灼熱の地獄が広がった。崩れ行くビル、逃げ惑う人々、空を覆う黒雲、そして絶望的な悲鳴。あまりにもリアルで、ユミは思わず口元を押さえた。 「うっ……!」 「視えたでしょう。これが未来だ。だが、まだ防ぐ方法がある。それが『聖なる儀式』なんです」 黒木はゆっくりとユミに近づいた。彼が一歩踏み出すたび、空気が重くなっていくような感覚。逃げなければ——そう思うのに、足が動かない。 「ユミ先生、あなたの予知能力は特別だ。儀式を行うことで、未来を変える力が生まれる」 「そんな……私に何ができるんですか? 警察に——」 「無駄です。私の権力は、あなたが想像する以上だ」 黒木の手がユミの顎に伸びた。冷たい指先が彼女の肌を滑る。 「協力していただく代わりに、あなたには報酬を支払います。そして……心地よい生活も約束しましょう」 「断ります! こんな話、信じられない!」 ユミは黒木の手を振り払い、ドアへ向かって走った。しかし、ノブに手が届く前に、再び視界が白く染まった。 今度は別の未来。ユミ自身が、豪華なベッドで何者かに抱かれている光景。快楽に歪む顔、汗に濡れた肌、与えられる甘い痺れ——。 「っ……!」 膝から崩れ落ちたユミの耳元で、黒木が囁いた。 「未来はもう視えているでしょう。あなたの運命も、世界の行く末も」 「なぜ……こんなことを……」 「私たちは選ばれた者なんですよ、ユミ先生。今夜八時、この住所に来てください」 黒木が名刺大のカードを床に落とす。ユミは震える手でそれを拾い上げた。 『クラブ・エテルナ——上流階級者のみ招待』 「逃げようとしても無駄です。未来はすでに決まっている」 黒木の言葉と共に、ユミの中にある予知がさらに鮮明になった。拒否すれば破滅——だが従えば、予想もしない運命が待っている。ユミは涙を拭い、覚悟を決めたように小さく頷いた。

2章 / 全10

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