エラベノベル堂

泡に溶かされる心

18+ NSFW

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3章 / 全10

退院から三日後、私は自宅マンションの扉を開けた瞬間、異変を感じ取った。部屋の中に、見知らぬ男の靴。それも一足ではない。 「おかえりなさい、ミクちゃん」 リビングから太い声が響く。そこには黒いスーツを着た男たちが三人、悠々とソファに座っていた。テーブルの上には、私が隠していたこけしとマッサージ器が置かれている。 「……どうしてここに入ったの」 「鍵なんて簡単だよ。それより、あんたの体、面白いもん持ってるらしいな」 リーダーらしくスキンヘッドの男が、卑劣な笑みを浮かべて立ち上がった。その視線が私の体を舐めるように動く。 「あんたのことだよ、泡吹き姫ちゃん」 恐怖が背筋を駆け抜ける。肌から透明な泡がじわりと滲み出始めた。 「ほら、出た。噂通りだ」 男が私の腕を掴むと、泡はさらに激しく溢れ出した。甘いバニラの香りが部屋に漂う。 「離して!」 抵抗しようとしたが、男の力は圧倒的だった。背後から別の男が私の腰を抱え込み、あっという間に両手を拘束される。 「いい匂いだ。この体液、高値で売れるらしいな」 「売るって……何を言っているの!」 「知らないのか? あんたのその泡は、媚薬の原料として最高級品なんだよ」 スキンヘッドの男が私の顎を強引に持ち上げた。その瞳には、明らかな欲望が宿っている。 「大人しくしてれば、痛い目は見ないぜ」 私は無理やり車の後部座席に押し込まれた。窓には黒いフィルムが貼られ、外の景色は見えない。こけしとマッサージ器も男の手にある。 「返して……あれは私の……」 「あとでじっくり使わせてもらうよ。あんたと一緒にな」 男が耳元で囁くと、 下品な笑い声が車内に響いた。私の体からは止めどなく泡が溢れ、シートを濡らしていく。恐怖が限界に達した時、胸の奥で熱い塊が疼いた。父さんの言葉が脳裏をよぎる。 「いざという時、きっと助けになる」 だが今の私には、どうすることもできなかった。車は闇の中を走り続け、やがて古びたビルの前で止まった。組事務所だと直感する。 「降りろ」 男に腕を引かれ、薄暗い階段を歩かされる。重い鉄の扉が開いた瞬間、冷たい空気が肌を刺した。 「ようこそ、我が組へ」 そこには、更なる絶望が待っていた。

3章 / 全10

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