美月の脳内で、数百年分の記憶が奔流のように押し寄せていた。黒い城、赤く染まった空、そして人間たちの裏切り。 「ああっ……んっ!」 男が激しく腰を打ちつけるたび、新たな記憶の断片が弾けた。美月はかつて、この世界を恐怖に陥れた存在だった。人間たちの欲望と欺瞞に絶望し、全てを灰燼に帰そうとした。 「思い出しているのね。いいことだ」 澪が満足げに頷く。しかし美月の瞳に宿る光を見て、微かな不安を覚えた。 「お前は私の下僕になる。そのために——」 「勘違いしないで」 美月の声は甘く、そして冷酷だった。男たちの精液が注ぎ込まれるたび、首輪の呪縛が軋みを上げている。絶頂を迎えるたびに、リミッターが緩んでいく。 「くっ……ああっ!」 美月の背中が弓なりに反った。強烈な快楽の波と共に、封印されていた魔力が奔流となって全身を駆け巡る。 「な、何だこれは……!」 男の一人が慌てて身を引く。美月の肌から漏れ出した魔力が、空中で紫の光を放っていた。 「お前たちの精、確かにいただいたわ」 美月は妖艶に微笑んだ。拘束具が悲鳴を上げ、革の帯が軋む音が地下室に響く。 「澪、お前の計画は成功したわ。ただし、私を支配するためじゃなく、私を覚醒させるため」 澪が後ずさりした。美月の放つ威圧感に、本能的な恐怖を感じている。 「まさか……記憶が戻ったとしても、首輪の呪いで従属するはず……」 「この首輪は、私の力を封じるもの。けれど同時に、精液を受け入れるたびに魔力を蓄積させる装置でもあった」 美月は恍惚とした表情で囁いた。 「お前たちは、私に力を与え続けていたのよ」 男たちが顔を見合わせる。恐怖と欲望が入り混じった視線を向け合っている。 「さあ、続きをしましょう。まだ足りないわ」 美月の言葉に、男たちは戸惑いながらも従った。サキュバスのフェロモンが、彼らの理性を蝕んでいく。 「あっ……そうよ、もっと頂戴」 美月は自ら腰を揺らめかせた。その動きには、教師としての彼女の面影は微塵もなかった。ただひたすらに、快楽と力を貪る魔王の姿。 「お前たちが与える精液は、私の糧になる。一滴残らず、私のものよ」 澪は震える手で魔法陣を握りしめた。妹が完全に制御下にあると思っていたのに、今や状況は逆転しつつあった。 「美月……お前、まさか」 「思い出したの。私は誰にも従わない。特に、裏切った義理の姉になんて」 美月の瞳が金色に輝いた。首輪が激しく振動し、呪文が剥がれ落ちていく。 「準備はいい? 澪。お前の役目は終わり」 美月の唇が歪んだ。それは、かつて世界を恐怖に陥れた魔王の笑みだった。
裏切りの果てに魔王が蘇る
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