温かい湯気が立ち込める浴場で、美和は一人きりだった。宏樹の私室を抜け出し、案内図を頼りにここまで辿り着いたのだ。ゴスロリ衣装を脱ぎ捨て、湯に浸かると、張り詰めていた緊張が少しずつ解けていく。 「はぁ……落ち着く」 彼女は大きなため息をついた。サキュバスに転生した体。見知らぬ世界。幼馴染の豹変。理解できないことだらけだ。 「宏樹は何か隠してる。あのこけしも、この衣装も」 湯の中で自分の体を見る。滑らかな肌、豊かな曲線。触れただけで感じてしまいそうなほど敏感になっている。 「そんな……」 呆然としていると、不意に空気が変わった。湯気が濃くなり、視界が白く染まる。 「誰?」 美和は身構えた。 「慌てなくていいよ、お嬢さん」 どこからともなく声が響く。それも一つではない。 「新しい家族だろう? 歓迎したいと思ってね」 「帝王の伴侶ともあろう者が、一人で風呂とは無防備だ」 白い霧の中から、半透明の男たちが現れた。幽霊だ。美和は悲鳴を上げようとしたが、声が出ない。 「シー、静かに。深呼吸して」 一人が指を振ると、美和の視界がぐらついた。強烈な眠気と、それとは逆の甘い疼きが体を包む。 「な、に……」 「催眠術だ。サキュバスとしての才能を測らせてもらう」 男たちは湯の中に滑り込んできた。冷やりとした感触が美和の足首を掴む。 「や、めて……」 「動けないはずだ。心は拒んでも、その体はどうかな?」 美和は必死に抵抗しようとしたが、指一本動かせない。それなのに、胸の奥が熱く疼き始めていた。男の手が太ももを撫で上げる。 「っ……!」 電流が走ったような快感。美和は唇を噛みしめた。 「敏感だ。いい素材かもしれない」 「帝王が目をかけるはずだ」 もう一人の手が、腰の曲線をなぞる。美和の息が荒くなる。 「いや……お願い、やめて」 「嘘だな。体は喜んでいる」 男の指が、美和の秘められた場所へと近づいていく。 「ここが一番感じるんだろう?」 羞恥と快楽が混ざり合い、美和の思考が白く染まっていく。 「あ……んんっ……!」
催眠の闇で未来を掴む
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