エラベノベル堂

催眠の闇で未来を掴む

18+ NSFW

小説ID: cmnreuwze001601qgh855fdwj

9章 / 全10

怒りと興奮が入り混じる中、美和は宏樹の寝室への道を辿っていた。深夜の城は静寂に包まれ、自分の足音だけが響く。ゴスロリ衣装のフリルが歩くたびに揺れ、肌に触れるたびに微かな快感を覚える。開発されきった体は、わずかな刺激にも反応してしまう。美和は家宝のこけしを強く握りしめた。 「宏樹、あなたの歪んだ愛、受け入れてあげる」 寝室の重厚な扉の前に立つ。深呼吸をし、静かに押し開けた。広い部屋の中央に、天蓋付きのベッドが鎮座している。宏樹が眠っていた。無防備な寝顔。幼馴友の頃と変わらない、どこか幼さの残る表情。けれど美和は知っている。その身に秘めた力と、自分を守るために重ねてきた嘘を。 「起きて」 美和はベッドの縁に腰を下ろした。指先で彼の頬に触れる。 「ん……」 宏樹が微かに身じろぎするが、目は覚めない。美和は予知能力を発動させた。視界が歪み、新たな光景が浮かび上がる。宏樹の弱さ。彼が最も恐れていること。サキュバスの誘惑に抗えない自分自身。 「あなただって、私を求めていたのね」 透視の中で、宏樹が誰かに語りかけている。 「美和を伴侶にしたい。けれど、彼女を危険に晒したくない」 矛盾する想い。禁断の欲望。美和の体が熱くなる。 「私が主導権を握ればいいのね」 彼女はこけしを枕元に置き、宏樹の胸に手を当てた。心臓の鼓動が手のひらに伝わる。 「目覚めたら、逃げられないわよ」 上体を乗り出し、彼の唇に自分のそれを重ねようとした瞬間、宏樹の瞼が震えた。美和は息を止めた。彼が目を開ける。闇色の瞳が、目の前のサキュバスを捉える。 「美和……?」 寝起きの掠れた声。けれど、その瞳にはすぐに理解の色が浮かんだ。 「予知を使ったな」 美和は妖艶に微笑んだ。 「ええ。全部見た。あなたが私にしてきたこと、あなたが隠してきたこと、そしてあなたが一番弱いところ」 彼女の手が、宏樹の胸をゆっくりと滑り降りていく。 「逃げられないわ、宏樹。もう私が主導権を握る番だから」

9章 / 全10

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