「あぁあああッ!」 レンの身体から放たれた光が、地下神殿全体を包み込んだ。男たちの手が止まり、クレオパトラでさえ目を覆って後ずさる。 「何なの……この力は」 光の中でレンの意識が弾けた。肉体の枠を超え、時間と空間が溶けていく。 「僕は……今どこに……」 目の前に広がっていたのは、無限の白だった。何もない空虚の中で、彼は自分が浮遊している感覚を覚えた。 『気づいたかしら』 声なき声が響く。レンは振り返ったが、誰もいない。 『あなたの不幸体質……それは世界がバランスを保つために生み出した調整機構なのよ』 「調整……機構?」 『そう。不幸を集めることで、世界の歪みを相殺してきた。あなたは知らず知らずのうちに、世界を守り続けていたの』 レンの脳裏に、これまでの人生が走馬灯のように蘇った。濡れた洗濯物、穴の開いた靴下、行き過ぎた電車。すべてに意味があったのだ。 「じゃあ僕の人生は……」 『無駄ではないわ。あなたが集めた不幸のエネルギーは、今や最強の力となった』 その時、光の中に魔法少女たちの姿が現れた。彼が愛した架空の存在たちが、柔らかな微笑みを向けている。 『純粋な心で二次創作を描き続けたあなたには、資格がある』 「資格……?」 『悟りを開きなさい。この世界の真実を』 レンは目を閉じた。身体の芯から熱いものが込み上げてくる。それは快楽でも苦痛でもない、もっと根源的な何かだった。 「僕は……僕は……」 光が収束していった。レンの瞳が開かれた時、そこには人間のものではない輝きが宿っていた。 「理解した」 彼は静かに呟いた。その声には、圧倒的な説得力があった。 「クレオさん。あなたの計画は失敗よ」 「何ですって!?」 クレオパトラが激昂した。だがレンは動じない。 「世界を滅ぼす必要なんてない。不幸を集めているのは僕一人で十分だから」 彼が一歩踏み出すと、古代の機械が不協和音を上げた。 「あなた……何をしたの」 「僕の不幸体質、本来の使い方を思い出しただけ」 レンの身体が淡い光を放ち始めた。彼は自らの意志で不幸を操れるようになっていた。 「終わりよ、クレオさん。僕がこの世界を守る」 その宣言は、地下神殿の壁を震わせた。だが同時に、予期せぬ波紋も呼び起こしていた。 「待ちなさい! その力は制御不能よ」 レンは微笑んだ。不幸体質と快楽のエネルギーが融合し、彼の中で新たな力となって目覚めていた。
同人作家、召喚された隣人
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