エラベノベル堂

瓜二つの悪夢へ

18+ NSFW

小説ID: cmnrq9gdc000j01qag8grc92x

5章 / 全10

薄暗い廊下を、鋭い足音が刻んでいた。鉄の扉を蹴破り、金髪の騎士が飛び込んでくる。磨き上げられた鎧、腰に差した聖剣——リナが恋愛ゲームで最も好いていた攻略対象、エルヴァンその人だった。 「待たせたな! 無事か?」 彼は素早く周囲を見渡し、ベッドに拘束されたリナの姿を認めて顔を歪めた。 「……君がマフィアのボスだと聞いていたが、まさかこんな状態とは」 エルヴァンは縄を解き、彼女の体を抱き起こした。リナは涙ぐみ、彼の胸にすがりつく。 「助けて……お願い、ここから連れ出して」 「任せてくれ。君を必ず守る」 騎士の逞しい腕に支えられ、リナは安堵した。これで終わるのだ——歪んだ支配から解放され、本来のルートへ戻れる。そう信じていた。 「感動的な再会だね」 冷ややかな声が部屋の奥から響いた。ドッペルゲンガーが闇の中に悠然と立ち、残酷な笑みを浮かべている。 「残念だが、そう簡単に終わらせない」 エルヴァンは聖剣を抜き放った。 「貴様がドッペルゲンガーか。彼女をどう扱ったか、償ってもらう」 「面白い。やってみるといい」 騎士が突進した瞬間、部屋の空気が澱んだ。半透明の影が数体、空中に現れ、エルヴァンの動きを封じようとする。 「幽霊か——だが、聖剣にかかれば!」 エルヴァンは剣を振るい、幽霊の一体を切り裂いた。光の粒子となって散る影——しかし、瞬時に再生し、彼の腕に絡みつく。 「なっ……!」 「彼らは不死だ。君の聖剣でも完全に消し去ることはできない」 ドッペルゲンガーは指を鳴らした。幽霊たちが一斉に騎士へ襲いかかる。 「くそっ、離せ!」 リナは戦慄した。助けに来た騎士が、窮地に立たされている。彼女は震える足で立ち上がり、叫んだ。 「エルヴァン様、逃げてください! これは罠です!」 しかし騎士は幽霊たちに押さえ込まれ、動きを封じられていた。 「リナ……すまない、力及ばず」 ドッペルゲンガーはリナの背後に近づき、耳元で囁いた。 「見せてあげるよ。君が想いを寄せる騎士が、どのように堕ちていくかを」

5章 / 全10

年齢確認

このサイトには、18歳未満の方の閲覧に適さない表現が含まれる可能性があります。

あなたは18歳以上ですか。

TOPへ