「恭介くん……本当に恭介くんなの?」 美咲は震える声で尋ねた。十五年の歳月が隔てているはずなのに、目の前の青年からは不思議な懐かしさが溢れている。 「そうだよ。少し変わったかもしれないけど」 恭介は柔和な笑みを浮かべたまま、更に一歩近づいてくる。 「それにしても、その格好……相変わらずなんだね」 美咲はハッとして胸元を隠した。ブラウスのボタンが弾け飛び、下着がほとんど見えそうな状態だった。 「ちょ、ちょっと待って! これは転んだだけで……」 「うん、わかってる。美咲は昔からそうだったよね。何かとトラブルに巻き込まれやすくて、でもその度に可愛らしく慌てて」 からかわれた気がして頬が熱くなる。 「もう、からかわないでよ。それより、どうしてこんな廃墟に?」 恭介の表情が少しだけ真剣になった。 「ここに住んでるんだ」 「えっ? この廃墟に?」 「そう。待っていた人がいたから」 彼は美咲の手をそっと取った。指先が触れた瞬間、電流が走ったような感覚。 「待ってた人って……」 「美咲、君だよ」 心臓の鼓動が速くなる。 「私を?」 「説明しなきゃいけないことがある。君は信じてくれるかな」 恭介は美咲を奥の部屋へと導いた。そこは廃墟の他の部分とは異なり、清潔に整えられていた。奥に置かれた大きなベッドが目に入り、美咲は動揺する。 「信じてくれるかなって……何を?」 恭介は窓際に立ち、逆光の中で美咲を見つめた。 「僕は前世の記憶を持っているんだ。前の人生で、君と深い関係にあった」 「前世?」 「そう。君は僕の恋人だった。でも僕は君を守りきれず、不幸な最期を遂げさせた。それが悔しくて、この世に残ったんだ」 美咲は言葉を失った。突拍子もない話だが、心の奥底で何かが共鳴している。 「それで……待っていたの?」 「恩義を返したかった。君の不幸体質は、前世の因縁が原因かもしれない。それを解消する方法を、僕は探し続けてきた」 恭介が棚から小さな瓶を取り出した。中には透き通った液体が入っている。 「これは特殊なローションでね。体に蓄積された負のエネルギーを、快楽に変換して解放する効果があるんだ」 「快楽に……?」 美咲は瓶を見つめながらごくりと唾を飲み込んだ。 「試してみたい? 恐かったら断ってもいい」 美咲の胸が激しく高鳴る。この青年を、自分は昔から知っていたような気がする。前世の記憶かどうかわからないが、惹かれているのは確かだ。 「恭介くんなら……いいよ」 その言葉を聞いた恭介は、優しく美咲を抱き寄せた。
廃墟の記憶
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