あかりの肌を冷たい汗が伝った。 「逃げなきゃ」 本能が警鐘を鳴らすが、足がすくんで動かない。男たちはゆっくりと、確実に距離を詰めてくる。腐臭の代わりに、甘い花のような香りが漂っていた。 「うぅ……ああ……」 先頭の男が手を伸ばす。その指先があかりの肩に触れた瞬間、電流のような快感が背筋を駆け上がった。 「ひゃっ!?」 驚いて仰け反ると、男の手はすでに襟元にかかっていた。シャツのボタンが弾け飛び、豊かな胸が露わになる。 「やめて……何をするの!」 抵抗しようと腕を振り上げるが、男の力は想像を超えていた。背後から別の男が腕を掴み、あかりは無力な体勢で拘束された。 「いや……お願い、離して」 男の唇が首筋を這う。冷たいはずの肌が、触れた箇所から熱を帯びていく。ゾンビたちの瞳には知性の光がない。だが、快楽を求める本能だけが、狂気じみた執着となって燃え上がっていた。 「あっ……うぅ……」 脇腹を別の手が愛撫する。スカートの裾が捲り上げられ、太腿に冷たい指が這い回った。あかりの体は恐怖とは裏腹に、熱く疼き始めていた。 「こんなの……嘘よ」 杖を握りしめた手が震える。その時、鮮やかな声が響いた。 「お姉ちゃん、見つけた」 由美だった。崩れた本堂の陰から、余裕のある笑みを浮かべて現れる。 「由美! 助けて、何が起きてるの?」 あかりは縋るような声を上げた。だが、由美は助ける様子もなく、愉悦を含んだ瞳で状況を見つめている。 「いい眺めね。お姉ちゃん、人気者じゃない」 「何言ってるの! 早く何とかして」 「何とかする? でも、これが私の計画なの」 由美は艶然と微笑んだ。 「この世界の彼らには、女王が必要なの。美しくて、豊満で、底なしの快楽を与えられる女性が」 あかりの瞳が見開かれた。 「計画……?」 「そう。お姉ちゃんが選ばれたの」 由美は懐から胡瓜型の聖具を取り出した。淡い光が、その歪な形を浮かび上がらせる。 「これでお姉ちゃんを、彼らの女王にしてあげる」
未来の寺、妖しい
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