エラベノベル堂

冷徹な社長を堕す

18+ NSFW

小説ID: cmo5rfjo6013z01msocfmiloh

3章 / 全10

数日後、京介のスマートフォンに見知らぬ番号からの着信があった。夜の十一時を回っている。 「はい」 「……霧島です」 玲奈の声は掠れていた。何かが起きたと直感する。 「どうしました」 「会えますか。今すぐ」 彼女の声は平静を装いつつも、震えが隠せていない。京介は短く答えた。 「場所を」 三十分後、彼は玲奈のマンションの前に立っていた。エントランスから続く通路には街灯が少なく、影が濃い。彼女が住む最上階の部屋のドアは、驚くことに少し開いていた。 「霧島さん?」 返事はない。京介はドアを押し開けた。広がるリビングには整然とした調度品。その中心で、玲奈がソファに座り込んでいた。縮こまるその姿からは、冷徹な女社長の面影はない。 「……鍵、かけ忘れてたんです」 彼女は自嘲気味に笑った。 京介は溜息を漏らしながら、部屋を見渡した。 机の上には数枚の印刷物が散らばっている。近づいて手に取ると、そこには『貴女の秘密は預かった。USBの中身はコピー済み。黙っていなければ会社の極秘プロジェクトデータを公開する』という文章が添えられていた。 「これを落とした翌日に届いたんです」 玲奈は顔を覆った。 「会社の新製品の設計データ……それに、私個人の日記のようなものまで。USBには全て入っていた」 「日記のようなもの?」 「業務日報だと信じ込んでいたんです。でも……違った」 京介は眉をひそめた。 「中身を確認したんですか」 「最初は確認する必要があると思って。でも、読み返すうちに気づきました。これは誰かに読まれるために書いていた」 玲奈は顔を上げ、京介を真っ直ぐに見た。 「私は、誰かに支配されたかった。強い女を演えることに疲れて、誰かに全てを委ねたかった。その願望を、無意識に文章にしていたんです」

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