エラベノベル堂

支配を超えた未来へ

18+ NSFW

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4章 / 全10

蓮は車のドアを勢いよく開けた。 「何をしてるんですか」 椎名が驚いて顔を上げる。 「君は……」 茜は恐怖に歪んだ顔で蓮を見上げた。その瞳には涙が浮かんでいる。 「行くぞ」 蓮は彼女の手を取り、車外へ引き出した。 「待ちたまえ。彼女は君のものじゃない」 椎名の冷たい声が追いかける。 「彼女は誰のものでもない。自分自身のものだ」 蓮は茜を背に庇い、椎名を睨みつけた。 「関係ないだろう。これは私と彼女の問題だ」 「茜が嫌がってるのが見えないのか。これ以上近づくな」 椎名は不適に笑った。 「彼女はすぐに戻ってくる。君では彼女を守れない」 蓮は返答せず、茜の手を引いて歩き出した。彼女の体は震えていた。唇を噛みしめ、俯いたまま黙々と歩く。その小さな肩が、今にも崩れ落ちそうに見えた。 「大丈夫か」 蓮が問うと、茜は小さく頷いたが、その目は彷徨っていた。 「ごめん……巻き込んで」 謝る彼女の声は掠れている。 「謝るな。あいつが悪い」 蓮は自らのアパートへ彼女を招き入れた。狭いワンルーム、だが今はこれが彼女の避難所になる。 「座ってくれ」 ベッドを勧めると、茜はおずおずと腰を下ろした。膝を抱え、小さく縮こまっている。 「あいつは……私が弱いのを知ってる。昔、マネージャーとして信頼してた頃に、私の弱さを全部見透かされた」 彼女は震える声で語り始めた。 「『才能だけじゃ生き残れない』って、私を支配しようとした。私が断った時も、あきらめなかった」 蓮は彼女の横に座った。 「もう会わせない。俺が守る」 茜が顔を上げ、蓮を真っ直ぐに見つめた。 「どうして……そこまでしてくれるの」 蓮は答えに詰まった。なぜだろう。ただ、彼女を放っておけなかった。その瞳の奥の痛みが、自分のもののように感じられたのだ。 「わからない。でも、お前を失いたくない」 その言葉に、茜の目から涙が溢れた。 「蓮……」 彼女は彼の胸に顔を埋めた。震える肩を、蓮は黙って抱きしめた。この温もりを、決して離したくなかった。

4章 / 全10

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