翌朝、蓮が目覚めると、茜が狭いキッチンでコーヒーを淹れていた。 「おはよう」 と彼女が小さな声で言う。その姿に、蓮は昨夜の出来事が夢ではなかったことを思い出した。 「サンドイッチ、作ってみたの。味は保証しないけど」 テーブルに置かれた皿を見て、蓮は胸が熱くなる。いつも鋭い視線を向けていた彼女が、こんな風に気遣いを見せるなんて。 「座って、冷める前に」 と茜が促し、二人は向かい合って朝食をとった。 「昨日は……ありがとう」 茜がぽつりと呟く。 「椎名さんに支配されてた頃、誰も助けてくれなかった。みんな怖がったのよ、あの人の力に」 彼女は俯き、指でカップの縁をなぞる。 「でも、あんたは違った。どうして?」 蓮は窓の外を見つめた。 「わからない。ただ、放っておけなかった」 その言葉に、茜が顔を上げた。朝の光が彼女の顔を照らし、涙が光る。 「馬鹿ね」 彼女は涙を拭い、微かに笑った。その笑顔が、蓮の心を強く打つ。夜になり、茜がシャワーから上がると、蓮は彼女を見つめた。濡れた髪、湯気に包まれた肌。 「蓮……」 茜が彼に近づき、そっと唇を重ねた。柔らかい感触が、蓮の理性を溶かしていく。 「昨日、助けてくれた時……感じたの。初めて、誰かに守られたって」 蓮は彼女の背に手を回し、深く抱き寄せた。唇が重なり、互いの鼓動が伝わる。茜が彼の首に腕を絡め、ベッドへと倒れ込んだ。 「私を……抱いて」 その囁きに、蓮は彼女の薄い布越しに触れる。蜜が溢れ、彼を受け入れる準備を整えていた。 「いいのか」 「いいの。あんたがいい」 蓮は自身を彼女の奥へとゆっくり押し込んだ。茜が甘い声を漏らし、彼を迎え入れる。互いの熱が混じり合い、二人は激しく求め合った。行為が終わった後、茜が蓮の胸に顔を埋める。 「私、あんたのこと……好きになったのかも」 蓮は彼女の髪を撫で、静かに頷いた。 「俺もだ」 二人は静かに抱き合い、夜の静寂に包まれた。だが、椎名の影はまだ消えていない。蓮は決意を新たにしていた。この女性を、何としても守り抜くと。
支配を超えた未来へ
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